今年3月末に全米で公開された映画「パウロ 愛と赦(ゆる)しの物語」(原題:Paul, Apostle of Christ)が、日本で11月3日から公開されることが決まった。配給はソニー・ピクチャーズエンタテインメント。メル・ギブソン監督の「パッション」(2004年)でイエス・キリスト役を演じたジム・カヴィーゼルが主演を務める。
トルコ中部の都市タルソス出身のサウロ(パウロのユダヤ名)の物語を生き生きと描き出した作品。熱心なユダヤ教徒であったサウロは初め、キリスト教徒を迫害し、殺害するまでしたが、ダマスコ(現在のシリアの首都ダマスカス)に向かう途中でイエス・キリストと出会い、キリスト教における最も重要な人物の1人となった。
しかし、映画の主人公はパウロではなく、パウロに仕え、その軌跡を新約聖書の「使徒行伝」に書き残した医者のルカ。紀元67年、ローマ皇帝ネロがキリスト教徒を迫害する中、獄中から非暴力の愛を叫び続けたパウロの生き様をルカの目を通して描く。
そのルカ役をカーヴィゼルが演じ、パウロ役を人気テレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」出演の英国人俳優ジェームズ・フォークナーが演じる。
米国での公開前に米クリスチャンポストのインタビューに応えたカヴィーゼルは、自身のメンターであった弁護士の死や、今年2月に亡くなった大衆伝道者ビリー・グラハム氏に触れつつ、映画「パウロ」に込めた思いを語っている(関連記事:映画「パウロ」主演のジム・カヴィーゼル、ビリー・グラハム亡き後を語る)。
監督は新鋭のアンドリュー・ハイアット、物語を彩る荘厳な音楽はジョニー・デップ主演の「ネバーランド」(04年)でアカデミー賞作曲賞を受賞したヤン・A・P・カチュマレク。俳優はカーヴィゼル、フォークナーのほか、「S.W.A.T.」のオリヴィエ・マルティネス、「A.D. 聖書は続く」のジョアンヌ・ウォーリー、「秘密の花園」「名犬ラッシー」のジョン・リンチら。
撮影地は地中海に浮かぶ島国マルタ。脚本を描くための唯一の資料は聖書だったという。映画のあらすじ(米公開時の英文邦訳)は下記のとおり。
皇帝ネロの下での処刑を待ちつつ、ローマの監獄の中で独り苦しむパウロ。野心的な看守マウリティウスは、この衰弱した男にどんな脅威も見いだせないでいる。パウロはかつて、高い地位にあった残忍な殺人者「タルソスのサウロ」だったが、今や彼の信仰はローマを揺るがしている。医者のルカは、年老いたパウロを慰め、彼の世話をするため、大きな危険を冒して訪ねてきた。この訪問は、パウロの手紙に関して質問し、書き写し、成長している教会のためにひそかにその手紙を持ち出すためでもあった。ネロの冷酷な迫害のただ中で、これらの男女はイエス・キリストの福音を広め、世界を変えていく。
日本語の公式サイトは、paul-love.jp で現在準備中。公式ツイッター、公式フェイスブックはすでに公開されている。