【CJC=東京】地球上で「最も読まれている本」の一つとして挙げられる聖書。ユダヤ教、キリスト教の聖典で、「神は言われた。『光あれ。』こうして、光があった」「だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」など有名な聖句は数えきれない。
その聖書を「絵文字」入りにする試みが、英語圏で始まった。「聖書の教義を楽しく広めたい」との目的で誕生したもので「バイブル・エモジ」という。ネット世界で重宝されている絵文字は、英語でもエモジと言うようだ。
権威のある訳で、著作権の心配がないとなると、英語ではまず「欽定訳」と呼ばれる「ジェイムズ王訳」(KJV)。その聖書を、絵文字とネットスラングに置き換えている。
創世記の第1章第1節を便宜上、日本語の新共同訳で見ると、「初めに、神は天地を創造された」とある。それは、頭に輪をのせた笑顔、光、地球の絵文字で構成されている。それぞれ神、天、地を表している。
「バイブル・エモジ」は製作者の正体は秘密にされている。3千ページもあるが、米国では電子ブックとしてiTunes版が発売された。販価2・99ドル(約330円)。Android版も検討されているという。公式サイトで、聖書の1節を入力すると、絵文字に自動翻訳してくれるシステムも公開されている。
著作権問題がないからといって欽定訳は古すぎて、若い人のために作成するなら「世界英語聖書」(WEB)の方が良いという意見もあるようだ。また文字で完結している聖書本文を絵文字で表現することへの疑問も出てこよう。日本語の「絵文字聖書」の登場はいつのことか。