キリスト教学校教育同盟北海道ブロックの研究集会が1月30日、遺愛女子中学校・高等学校(北海道函館市)で開催された。「神様から委ねられた自然との共生」を主題に、原発の問題をはじめ、各校が抱える学校運営の課題などを話し合った。教育同盟の機関誌「キリスト教学校教育」4月号が報じた。
開会礼拝では、同校の鳴海としゑ宗教主任が旧約聖書の創世記から御言葉を取り次ぎ、神がご自身に似せて造られた人間は、恵みとともに、役割と責任が付与されており、よく治め、よく管理する存在だと説いた。その後、同校の中森司教諭が「原発と函館」をテーマに講演した。
中森氏は、福島第一原発事故の実態に触れながら、青森県の大間原子力発電所の着工までのいきさつや、使用される「フルMOX燃料」の危険性について述べ、大間原発で事故が起きれば至近距離にある函館市の被害は甚大だと説明した。
その上で、東日本大震災で中断していた工事が、今後再開される予定であることから、現在函館市と近隣自治体が安全性の危惧から大間原発の建設差し止めを東京地裁に訴え、函館市内の教会も裁判の支援や市民活動に加わっていることを伝えた。参加者一同は、日本全体を覆う原発、そしてこの地域においても重い課題を負っていることを痛感させられたという。
午後からは、各校報告と協議が行われた。酪農学園については、酪農学園大学付属とわの森三愛高等学校の栄忍校長(酪農学園大学宗教主任)が、生徒確保の困難さや学園理事会をめぐる事態を報告した。また、北星学園の大山綱夫理事長は、脅迫事件にまで発展した昨年の大学非常勤講師をめぐる問題、中途退学者の転入・編入を積極的に受け入れる高校の先駆けとして知られる余市高校の生徒確保の困難さや将来について報告した。