「あなたがたは神の神殿であり」(Ⅰコリント3:16)
私たちの肉体は神様からの預かりものであり、しかもその中に聖霊が住まわれるから聖い健康なところでなければならないというパウロの教えは、私たちの生き方そのものを改めなければならないことを示しているのではないでしょうか。
私の知人の医者は大病院の内科部長を辞し、小さな診療所を建て、なるべく薬を使わないで治療するということを目指しています。彼の話によると、新薬は植物や自然物などから発見され、分析して化学式を生み出し、化学式に基づいて化学物質が合成され、治療薬が大量生産されます。
そのお医者さんの話では、薬は病気の治療に役立つし、とても有り難い存在です。問題は、その薬が化学物質で合成されているということです。複数の薬を一緒に服用すると、化学物質同士が化学反応を起こして、病気を悪化させ、副作用のために肉体に悪影響のある場合があるそうです。
私の知人は、薬の副作用の弊害が多いことに悩み苦しんだ末に、病院を辞し、カウンセリングによる生活改善、食事療法、漢方療法などを取り入れて治療を試みています。
彼の話では、薬は化学物質で合成されますが、化学物質はもともと石油製品から生み出されるというのです。
これはテレビのニュースで見たのですが、石油に由来しているものは、薬だけでなく、食べ物も含まれているそうです。バターの代用品としてのマーガリンはヨーロッパの一部の国では使用が禁止されています。
SNSで得た情報によると、砂糖の代わりの人口甘味料、ジュースなどの飲み物にも大量に用いられているといわれます。また、化学調味料も化学物質から作られているそうです。塩は海塩とか岩塩から作られるものは体に良いといわれます。しかし、化学物質から作られる食塩はさらさらして使いやすいのですが、肉体には良い影響はないといわれます。
食べ物だけでなく、身につける衣類にも注意を払わなければならないのではないでしょうか。化学繊維の場合、体に痒(かゆ)みが出て、炎症を起こすこともあります。私事で恐縮なのですが、いつも皮膚炎に悩み、かぶれて痒くてしようがない状態でした。絹の下着なら治ると本で読み、試したところ、直ちに改善しました。絹だけではなく棉(わた)も効果があるようです。
考えてみると、私たちの日常は石油製品で溢れています。石油製品としてのプラスチックを取り除いたらほとんど使える日用品はなくなるのではないかと思われます。しかし、最近は植物繊維や納豆菌からプラスチックが生み出されているというニュースも耳にしました。
また、食べ物には直接関係ありませんが、環境問題ということで、木材の使用にも注目が集まっています。最近耳にしたニュースでは、木材を特殊加工して、鉄の5分の1の軽さで5倍の強さという木材製品が建築で用いられるようになっています。将来的には木材の繊維をほぐして、薄くて熱にも強いボードができるみたいですので、自動車のボディーに用いられていくのではないかと思います。
また、燃料の分野でも石油を大量に消費する時代から、電気自動車、ハイブリット車、燃料電池車と進化していけば、石油をほとんど使わなくてもいい時代が来ると思います。
「あなたがたは神の神殿であり、神の御霊があなたがたに宿っておられることを知らないのですか。もし、だれかが神の神殿をこわすなら、神がその人を滅ぼされます。神の神殿は聖なるものだからです。あなたがたはその神殿です」(Ⅰコリント3:16~17)
神の神殿を預かる者として、口から入れるものには慎重になり、身に着ける物、日常触れる物にも注意を払う必要があります。また、石油製品を大量消費して地球環境を破壊することも神の神殿の崩壊につながりますので、気を付けなければいけないと思います。信仰者にとって、健康管理も大切な使命になると思います。
◇
穂森幸一(ほもり・こういち)
1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。