総選挙を7日に控えた英国で、英国福音同盟(EA)が世論調査を行い、同国のプロテスタント福音派内では、わずかながら保守党の支持率が高いことが明らかになった。
EAには、同国内の福音派教会・団体が加盟しており、加盟教会の所属信徒数は約200万人。今回EAが行った調査では、福音派キリスト教徒の9割が確かに投票に行くと回答。投票に行くかもしれない、投票に行かないと回答した人は1割未満だった。
一方、支持する政党は、保守党が31%で最も高く、昨年9月の調査に比べて3%増加した。労働党の支持者は3割を切り、29%だった。自由民主党を支持する人は3%上昇して12%、緑の党を支持する人も9%に増えた。独立党は12%から10%に支持を落とした。
EAが2010年に行った前総選挙の調査では、各政党の支持率は、保守党40%、自由民主党29%、労働党22%、独立党2%、緑の党1%だった。
一方、今回の調査では、23%がまだ投票先を決めていないと回答。選挙戦終盤に入っても、福音派内では約50万の浮動票があることになる。
今回の選挙で独立党に投票すると回答した人のうち、65%は過去に保守党に投票したことがあると答えた。緑の党は、さまざまな政治的考えを持つ人から支持を得ており、過去に自由民主党や労働党を支持していた人だけでなく、保守党を支持していた人からも支持を集めている。
EAでアドボカシーを担当するデイブ・ランドラム博士は、「総選挙まで残りわずか数日ですが、多くの福音派キリスト教徒がまだ投票先を決めかねています。私たちの調査によってとても多くの人が投票に行くと判明しましたから、この選挙は各政党にとって一つの機会となるでしょう。多くの政党がこの機会に、貧困や信教の自由など、福音派キリスト教徒が関心を持っている課題を取り扱うよう希望を持ちましょう」と語った。
EAが2月に出版した報告書「政治における信仰?」では、福音派キリスト教徒が貧困と格差を英国の最重要課題と考えていることが判明した。また、福音派の投票行動を決める政策として、信教の自由の保護、貧困者救援、人身売買の根絶、同性婚反対、安楽死反対などのトピックが挙がった。
今回のEAの調査では、1140人以上が回答し、うち932人が自らを福音派キリスト教徒と回答した。
一方、英民間調査会社「YouGov」が4月30日までに発表した世論調査によると、各政党の支持率は、労働党35%、保守党34%、自由民主党8%、独立党12%、緑の党5%、その他6%だった。