戦後の米国において福音宣教を共産主義運動から切り離し、福音伝道者として歴代大統領にもアドバイスを行ってきたビリー・グラハム氏の衰弱が進行している。
ビリーグラハム伝道協会(BGEA)は14日、米クリスチャンポスト紙(CP)の取材に応じ、グラハム氏の容態について「危急の状態ではないが、軽度の風邪が深刻な容態悪化につながる可能性がある」と明かした。
ビリー・グラハム氏の孫であるウィル・グラハム氏は、「祖父は昇天して主と共にいる準備がもうできています」と述べ、ビリー・グラハム氏の死期が迫っていることを伝えた。
息子のフランクリン・グラハム氏はCPに対し、「容態はあまり良くありません。活力はありますが、小さな風邪が深刻な容態につながってしまう可能性があります。容態が回復するように祈りを求めています」と語った。容態回復のために祈る人々に対し、ウィル・グラハム氏は「どのように祈っていただきたいか、私もこれ以上何も申し上げることが見つかりません。体力が回復するように願っていますが、もしかすると、これ以上容態の回復は必要ないのかもしれません。祖父にとって、もう昇天する時なのかもしれません」と伝えている。
BGEAでは、ビリー・グラハム氏の容態回復のための祈りを求めるサイトを開設している。フランクリン・グラハム氏によると、ビリー・グラハム氏は11月7日の自身の誕生日を祝った後、衰弱が進むようになり、呼吸器系疾患で入退院を繰り返していた。
BGEAでは「主がビリー・グラハムを強められるように祈りを求めています。ビリー・グラハムは、新著『救い-私が持つ希望の理由』を出版したことに元気づけられて、さらに別の本の執筆に取りかかっていました。執筆中の本ではビリー・グラハムが神を心に感じていることについて書いているようです。ただ主のみが執筆中の本の内容をご存知です」と伝えている。
祈りの呼びかけがサイトを通じて伝えられたことから、多くのビリー・グラハム氏の支持者らが同サイトに同氏に対する感謝の言葉や祈りの内容を書き込んでいる。
コメント投稿者の1人のキム・ローゼさんは、「私は子どもの頃からビリー・グラハム先生の救いに関するメッセージを聞くのが大好きでした。数回ではありますが、実際にお会いしたこともあります。先生のメッセージと神に対する信仰のあり方が、私の人生や信仰を強めていくのにつながりました」と明かす。
別のコメント投稿者のゴードン・メレングラフさんは、「大分昔ですが、私が15歳の時に、グラハム先生がシカゴで説教されていたのを聴いていました。先生のメッセージは私がキリストについて考えるきっかけになりました。20歳になってから、先生のご著書『幸せの秘訣』を読みました。この本は私が神を見出す手がかりになりました。私の妻は私のキリストに対する疑問について答えてくれて、1964年1月14日、キリストを受け入れました。私を救いに導いてくださったグラハム先生に感謝します」と伝えている。
ビリー・グラハム氏は先月7日の95歳の誕生日にテレビ放送を通じて「十字架」と題したメッセージを伝えた。説教が放送される前にBGEAのサイトには説教の概要について、「私がアメリカに捧げる最後のメッセージは何であるべきかを考えて準備していました。このことについて深く祈ってきました。心を尽くして、すべてのアメリカ人に対し、神の驚くべき愛を今一度覚え、『悔いのない、救いに至る悔い改め(2コリント7:10)をしていただきたいと願っています」と説明していた。
ビリー・グラハム氏はここ数年間、パーキンソン病や呼吸器系疾患などいくつもの病を患っていた。一方、ビリー・グラハム氏の妻であるルツ・グラハム氏は2007年にすでに逝去している。