【CJC=東京】切迫流産の痛みの中、カトリック教会系の病院から2回自宅に帰された米ミシガン州在住のタマシャ・ミーンズさんが、あらゆる中絶を禁止する治療方針を課しているカトリック司教協議会を相手取り、訴訟を起こした。訴状を提出した米国自由人権協会(ACLU)が2日、発表した。司教協議会は訴訟についてのコメントを拒否した、とAFP通信が報じた。
ミーンズさんは2010年12月、妊娠18週に早期破水を起こし、自宅そばにある唯一の病院「マーシー・ヘルス・パートナーズ」に駆け込んだ。
病院側は妊娠を続けた場合に深刻な感染症に発展する危険性があることを告げず、鎮痛剤だけを渡し、1週間後、通常検診に訪れるよう伝え、ミーンズさんを自宅に帰したという。だがミーンズさんは翌日早朝、病院に再び駆け込んだ。出血と陣痛が始まったからだ。だが発熱が治まるやいなや、ミーンズさんは再び自宅に帰された。
ミーンズさんはその夜、再び病院に戻った。「痛みと感染症の兆候があった」ものの、病院でできることはないと言われたという。しかし、退院許可書の作成中、胎児の足が子宮頸部から飛び出した。産まれた赤ちゃんは3時間後に死亡した。
訴状によると、病院側はミーンズさんの事例を調査したものの、胎児の生存能力が確立する前に促進剤を使用して陣痛を起こすことを司教協議会が禁止しているため、陣痛促進剤を使用しなかったことは「適切」な行為だったと結論づけていたという。