主がお入用なのです
ルカの福音書19章28~40節
[1]序
今回はルカの福音書19章28~40節を味わいます。まず28、29節のエルサレムを目前にしている背景に注意し、普通「エルサレム入城」と呼ばれる場面を二つの点を軸に。
[2]「主がお入用です」(28~35節)
(1)主イエス、ふたりの弟子に役割・使命を与え派遣
①主イエスの弟子とは、「使いに出された」者たち(32節)
②使命の内容、二つの点
「まだだれも乗ったことのないろばの子」→「それをほどいて連れて来なさい」(30節)
「『なぜ、ほどくのか』と尋ねる人があったら」→「主がお入用なのです」(直訳「それの主人がそれを必要」、31節)
(2)ふたりの弟子、主イエスの命令に従う
①主イエスの命令のように、弟子たちは行動し語る(32~35節前半)。
②「イエスが話されたとおりであった」(32節、参照マタイ21章6節、マルコ11章6節)。
(3)「そして、そのろばの子の上に自分たちの上着を敷いて、イエスをお乗せした」(35節)
①命令されたこと以上に。ルカは弟子たちの活動を特に詳しく描く。
②マタイ21章4~6節、ヨハネ12章16節には、ゼカリヤ9章9節の成就と。
[3]「喜んで大声に神を賛美」(36~40節)
(1)誰が、どのような中で
①「弟子たちの群れはみな」
②オリーブ山をくだりエルサレムを目前に、「自分たちの見たすべての力あるわざのことで」(37節)。
③「喜んで大声に神を賛美し始め」(37節)。
(2)賛美の内容(38節)
①「祝福あれ。主の御名によって来られる王に」(ヨハネ12章13節)
②「天には平和。栄光は、いと高き所に」
(3)神への賛美をやめさせようとする力に対して主イエスの答え
「この人たちが黙れば」→「石が叫びます」(40節)
[4]結び
(1)主イエスは弟子の主として、弟子に使命を与え派遣。主イエスが必要とされ、用いられるろばの子。賛美を受けるにふさわしい「主の主、王の王」なるお方(黙示録5章13、14節)。
(2)弟子たちは使いに出され、使命を果たす者。また神への賛美に生きる者として。
宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。