ブラジルで開催されたパレスチナ解放のための世界社会フォーラム(WSF)で、ブラジル出身の超教派青年クリスチャンらが一同になって、聖地エルサレムの平和を求めるアドボカシー運動を行った。
同フォーラムは11月28日から12月1日まで、ブラジルポルトアレグレで行われ、世界教会協議会(WCC)パレスチナとイスラエルにおける超教派によるプログラム(EAPPI)に奉仕してきた青年クリスチャンらが参加した。
同フォーラムには、パレスチナ人の解放を求める知識人、活動家、諸団体が出席し、エルサレムで宣教活動を行ってきた超教派の青年クリスチャンらが経験を分かち合う時間がもたれた。
EAPPIで奉仕した経験のあるナタリア・ノヴァエス・アルヴェスさん(27)は、「イスラエルとパレスチナ地域にはいくつかの国際組織が存在していますが、それらの団体は同地域における人権の濫用状態を記録しているだけにとどまっています。私はパレスチナとイスラエルの摩擦に関する問題でよりイニシアチブを発揮して活動していけることに希望を置いています」と述べている。
先月末、国連はパレスチナを「オブザーバー国家」へ格上げする決議を行った。これに対しイスラエルや米国が反対しているものの、アルヴェスさんは「国家への格上げは国連がパレスチナ問題に介入するのに効果的に働くと思います」と述べた。
パレスチナガザ西岸地区でEAPPIの奉仕を行ったエリコ・ロヨラさん(27)は、国連によるパレスチナ国家格上げの決議に関して「国連の勝利である」としながらも「パレスチナが一致した国家となるためにはまだ長い道のりが遺されています。パレスチナ国家格上げを決議したことの最も大きな利点は、紛争問題で苦しむ人々により効果的な人道支援メカニズムを提供できるようになったことが挙げられます」と述べた。
聖地エルサレムでの奉仕経験について、エドゥアルド・ミノシさん(26)は平和の基調とした諸教会、超教派団体によるイニシアチブが発揮されていくことが重要であると指摘し、「平和と正義に関するエキュメニカル運動では、対話を重視します。EAPPIのプログラムは私達が共にガザ地区での平和を成し遂げるための対話を行う新たな方法を教えてくれたと思います」と述べた。
WCCスタッフでEAPPIコーディネーターのマニュエル・クィンテロ・ペレツ氏およびWCC中東地域プログラムエグゼクティブのミシェル・セイア氏も同フォーラムに参加し「エキュメニカル運動には諸教会教会員の間でパレスチナの人々の苦しみを伝えることで、超教派の運動を行う義務があることを啓発させ、同地域における地元キリスト教共同体の活動を活発化させる必要があることを気付かせていかなければなりません」と述べた。
クィンテロ氏はポルトアレグレで行なわれた今回のフォーラムについて「WSFが国連がパレスチナの国家格上げ決議が行われた時期と同時期に行われたということは極めて意味深いことです。グローバルな市民団体によるイニシアチブもパレスチナとイスラエルの平和と正義に大きな役割を果たすと信じています」と述べた。
WSF参加者らは、パレスチナ国家格上げ決議に対し、長期にわたって自由と国家の尊厳のために戦い続けてきた後、独立国家となることができる現実的な可能性が与えられたことを歓迎する意を示した。