第27回関東聖化大会最終日となった16日夜の聖会で、マイケル・ロダール博士はローマ書11章33節~12章2節を引用し、「生きた聖なる供え物としてささげる」と題してメッセージを伝えた。
ロダール氏はキリスト者の生活について「私達が神様の生活に入り込んでいるのがキリストの生活。祈り、礼拝し、学び、本を読むことを通して、私達の人生の中に神様が特別に来てくださった。神様の中に私達が巻き込まれているということ。パウロがそれを教えている。私達の主は、この世界のすべてのものをお創りになられた主である。このすべてのものをお創りになられた神を私達は礼拝している。また同時にイスラエルの神でもあり、契約の神でもある。神がイエスを通して私たちを神の中に入るようにと招かれた」と説いた。
また引用箇所について、「この箇所ではすでにキリストを信じている信者にお願いしている。クリスチャンの共同体、教会に対しての言葉である。『自分のからだを神様の生きた供え物としてささげなさい』とある。イエスを信じるということと、自分自身を全く明け渡すということの間に違いがあるということが示されている。(すでにイエスを信じた)クリスチャンに対し、自分のからだを生きた供え物としてささげなさいとお願いしている。これは非常に大事な教えで真実の教えである」と説いた。
ロダール氏は、「ローマ書11章の終わりになってパウロの感謝や賛美する思いが溢れるようになった。パウロが言いたいことを要約すると、パウロは復活した主から異邦人に対する使徒として派遣されている。異邦人の中には日本人やデンマーク人も含まれている。偶像礼拝者の背景をもつ異邦人に福音を伝えるのに遣わされた人間がパウロである。私達のような異邦人が、イスラエルに対して『接ぎ木』をされてその家族の中に加えられているのであるというメッセージ。しかしパウロは、このイスラエルの民自身がイエスを受け入れない不信仰があることに非常に悩んでいた。異邦人にも救いが及ぶということを信じることができなかった。パウロは(異邦人である)我々の先祖に対する働き人に対して用いられた。パウロは神の憐れみがユダヤ人にも異邦人にも同じように下っており、その憐れみの故に私達キリスト者に対して、『生きた供え物として捧げなさい』とお願いしている」と述べた。
ロダール氏は「生きた供え物としてからだをささげる」ことに対して、「神の憐れみのゆえにパウロがお願いしているのであって、私達に神様が無理強いされておられるのではない。神は訴えられてお願いをされるお方ですが、無理強いはされない。無理強いは憐れみの方法ではないからである。すべてのものに勝る愛を持っていらっしゃる神のする方法ではない。ローマ書6章では私達の手足を神の奴隷としてささげなさいと言っている。しかし神は強制的にそのようにはさせようとはされない」と説いた。
パウロについてロダール氏は「イエスに出会う前は生粋のユダヤ教徒であったパウロは天と地と、すべてを創られた創り主が存在し、男と女がそのからだをもって創られたことを意識していた。神は私達のからだを非常に愛しておられて、そのからだをもって我々を復活させてくださる。すべての栄光がイエスに宿っているということをパウロは信じた。このからだが神によって創られたものであり、贖われ得るものであることを信じた」と説いた。
「からだ」は複数形、「供え物」は単数形
ロダール氏はキリスト教について「ただ内側の霊的なことだけに関わるのではなく、目に見える生活すべてのことをお創りになられたのが神様。私達ひとりひとりに対してもからだをささげなさいとお願いしている。その『からだ』を複数形で言っている。たくさんのからだ、それぞれのからだを生きた一つの捧げもの(単数形)としてささげなさいと言っている。一つの『キリストのからだ』となってささげていくということが非常に重要なこと。イエス様ご自身が供え物として捧げられた模範に従って、私達が一つの供え物になってささげていくということである」と説いた。
また「生ける供え物」となることについて「愛の器でなければならない。お互いに一つの共同体の中で分かち合わなければ、本当のものにはならない。ただ一人の信仰の中にではなく、他の人との関わりの中で真実なものとなる。お互いをもって愛し合いなさいとある。生ける供え物となるという生き方をするということ。尊敬をもって互いに人を自分より勝っていると思うこと(ピリピ2・3)。日本の文化ではごく自然なことかもしれない。旅人をもてなし、迫害する者を祝福する。祝福するのであって呪ってはいけない。教会は数多くのからだがひとつになって、イエス様のなさったことを取り込んでいくところである」と説いた。
またホーリネスの働きについて「キリストのからだである仲間の中で実践するホーリネスでなければ、ホーリネスではない。社会との関わりの中でホーリネスの働きがなされる。神様はあなたが他の人と交わる中で、私達に語りかけてくださるお方である。人との交わりの中で他の人を神の下に導くそのような働きをされる方である。毎日の人と人との関わりの中で生きていくこと。神様が今晩願っていらっしゃることは、みなさんそれぞれの教会の中での『キリストのからだの教会』の中の『生きたからだ』となって働くということ。私達は物理的な肉体を持っている。このからだは愛されて行くことが必要。敵が飢えたなら与え、渇いたなら満たしていくことが必要である」と説いた。
ソーシャルホーリネスの実践へ-社会に繋がっていく中でホーリネスに生きる
ロダール氏は「私達それぞれが体を集めて一つの生きた供え物として捧げるということは、このローマ書12章で書かれていることを実践することではないか。死んだ捧げ物ではない。祭壇の前で動物は殺された。自分から動物が進んで死んだわけではない。血を流すという役割を無理やり負わせられた。自分自身を生きた供え物として捧げるのと、神殿で死んだ動物を捧げるのは全く違うことである。『私が願うことではなくあなたの御心の通りになしてください』とイエス様は自分から進んでご自分を捧げられた」と説いた。
また自身の信仰生活の経験から、「随分後になって『キリストのからだによって取り囲まれている』ということを感じるようになった。喜ぶ人に囲まれているということを感じた。イエスに従っている人たちに守られていることを感じた。私の周りに共に『キリストのからだがいた』ということが後からわかるようになった」と述べた。
ロダール氏は「ソーシャルホーリネスの実践」について「社会的に繋がっていく中でホーリネスに生きるという生き方が必要であり、そのために私のからだを一つの供え物として捧げるという生き方を理解するようになった。キリストが神の栄光のために私達を受け入れてくださったのだから、ユダヤ人もクリスチャンも、強い者も弱い者も、私達の中に受け入れるべきである(ローマ15・7)。異邦人も、あわれみのゆえに、神をあがめるようになるため(ローマ15・9)とある。異邦人にからだを生きた捧げ物とするようにと願われている。聖霊によって聖められて神に受け入れられる供え物として捧げることである。からだを生きた供え物として捧げることが私達の責任であるが、神は私達に無理強いはされない。神様は教会にあって、このような供え物の模範となって生きるようにと招いておられる」と説いた。
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