イエスとともにいる-キリストの名によって
ロダール氏はローマ書8章12節~17節を引用し、キリストと共に神の子どもとなり共同相続人となったキリスト者のアイデンティティについて深く説明した。
キリスト者として社会に生きて行く中にあって、同氏は「知的な試み、霊的な試み、感情的な試みもあるでしょうが、主イエスがあなたがたを熱心に支えられています。神様が聖なるものとしてくださいます。神様は私達が文化の壁を超えて共にするということを可能にさせてくださいます。しかし同時に文化が神によって聖められていかなければなりません。すべての創り主であられる神様に帰さなければなりませんが、同時に多様性を失うことのないようにしたいと思います。それらがひとつとなって神様への賛美と昇華していくのです。そのことを皆さんと共に感じることができますように」と説き、キリスト者が異なる文化間にあって協働し、世俗の文化を聖める働きがなされるべきであることを伝えた。
関東聖化大会において、ロダール氏はホーリネスを受けるためにもっとも重要なことはイエス・キリストにあり、「ホーリネスの恵みの賜物を受け取れる唯一のお方です。その神に対して『アバ、父よ』と祈ることができます。聖なる生活を教えてくださり、聖なる生活が出来る力を与えてくださっています」と説いた。
ローマ書8章15節の「子としてくださる御霊」について、「この霊は、神の霊であり、キリストの霊です。その聖霊の力でイエスを死から蘇らせてくださった神の霊が生き生きと描かれている箇所です。聖なる生活は、復活の生を生きることでもあります。キリストは死者の中から蘇られました。そのように私達も生きることであり、聖霊の臨在の力を感じつつ生きることです」と説いた。
ロダール氏は「キリストこそが真のアダムであり、本来のアダムです。キリストこそが私達にとって、すべての創造にとって神の救いの始まりになります。イエスこそが神によってなされる新しい創造の始めであるということが素晴らしい教えです。イエスを通して私達も神の共同相続人となり、共にその栄光を受けます」と説いた。
また苦しみや恐れもキリストと共に歩むことについて、「ただ単に世の中の苦しみということではありません。まだ若い牧師であったとき、説教をしていた会衆のすべての人が苦しんでいることを知りました。肉的、霊的、感情的な苦しみが人々の中にあります。東日本大震災を通して、感情的な苦しみが生じています。アメリカのクリスチャンは、東京、大阪を爆撃した悲劇、語り尽くすことのできない受難による重荷があります。教会も間違いを侵すこともあります。苦しみは避けては通れません」と述べた。
8章17節では、「私たちがキリストと、栄光をともに受けるために苦難をともにしているなら」と書かれている。同箇所についてロダール氏は「『キリストと共に苦しむならば』とパウロは言っています。キリストと共に苦しむということをどれだけしているでしょうか。詩篇の中では苦しみの中で神様に声を上げて叫ぶことを許しています。苦しみを自分から求めていかなければならないのではないでしょうか。キリストと共に苦しむということについて、イエスは『自分を否定して十字架に従いなさい』と言っています」と説いた。
またキリスト者がキリストと共に苦しむ中で神を「アバ、父よ」と呼ぶ立場に入れられた恵みについてロダール氏は、マルコの福音書14章32~35節のゲツセマネのイエスの祈りにおいて、イエスが「アバ、父よ」と祈っていたことについて指摘し、「アバとは『お父ちゃん』という愛情表現に満ちたアラム語の言葉です。甘くてロマンチックな言い回しです。この言葉がイエス様から出た時に、イエス様はゲツセマネの園におられました。(十字架刑を受ける前の)絶望の中で叫ばれた言葉です。イエス様が心から叫ばれた情熱を感じ取ってください」と説いた。
ロダール氏は聖書について、若い神学者時代にはすべてのことを知的に考えていたという。しかしゲツセマネの祈りでイエスが地面にひれ伏して父に祈り叫ぶ姿を黙想した時、その時のイエスが感情でその言葉を発したことを感じたのをきっかけに、聖書に関するさまざまな知的な洞察を超えた聖霊の働きかけが内から生じるようになったという。
ロダール氏はイエス・キリストについて「イエス様はあなたのことを本当に良く理解してくださるお方です。ステンドグラスの中のイエス様ではありません。そういうイエス様は間違いです。死の間際におられて、悲しみ、うなだれて『アバ、父よ』と叫ばれたお方であり、イエス様こそ真の人間であり、弱くもろい私達に触れてくださるお方です」と説いた。
第二のアダムとしてのイエス・キリストについてロダール氏は「第一のアダムは人類に腐敗、破壊と死をもたらしました。神の御心ではなく自分自身の意思こそ大切でした。ゲツセマネの園では、真の人間として、『私の思いではなくあなたの思いの通りに』とイエスは祈られました。キリストは私達を聖霊につなげ、聖霊を私達の内に住まわせてくださるお方です。これが本当に素晴らしいことです。私達の心に注いでくださり、イエスの名によって『アバ、父よ』と祈ることができるようにしてくださいました。どんな混乱や悩みの中にあろうと、神の聖霊が私達を聖別するようにしてくださっています」とイエスによってもたらされたホーリネスの恵みについて伝えた。
イエスこそホーリネスの模範
またロダール氏はローマ書12章1節でパウロ使徒が「あなたがたのからだを、神に受け入れられる、聖い、生きた供え物としてささげなさい。それこそ、あなたがたの霊的な礼拝です」と伝えていることについて、「ここでパウロはクリスチャンの信仰者に向けて語っています。聖霊が与えられた私達に対して、すべてのことをささげるように迫っています。イエス様が地面にひれ伏してご自身を十字架にささげられたように、『私の思いではなく、あなたの思いのままになりますように』と神様は私達が応答するように招かれています。イエス様こそホーリネスの模範です。神様に隠していることはないでしょうか。あなたの身体、あなたの生涯、夢、未来をもう一度ささげてください。イエス・キリストと共に歩む歩みを妨げている性質はないでしょうか。あなたが隠そうとしていたものを神様にささげて、皆さんご自身を、すべての人生を神にささげてください。聖霊がそれを行うのを助けてくださいます」と説き、すでに信仰を告白したクリスチャンらに対し、改めて生涯を神にささげる決心をするように勧めた。
関東聖化大会は関東聖化交友会(関東JHA)が主催し、日本聖化協力会(JHA)が後援している。JHA2015年に30周年を迎える。同年10月に特別な集会を開くために祈りと準備がなされている。