同協議会には各国教会協議会、地域エキュメニカル組織などから33人の代表者が出席し、キリストにあって諸教会が一致する道が模索され、分科会、パネルディスカッションなどを通して、聖書主義の霊的な生活、祈り、賛美について共に時間を共有した。
協議会では、公会議優先のエキュメニズムを模索するにあたって、「教会中心」のエキュメニズムから「人間中心」のエキュメニズムにシフトし、複数の信仰告白から、一致した信仰告白のあるエキュメニズム、グローバルなエキュメニズムから地域的なエキュメニズムへシフトしている傾向が指摘された。他にも、エキュメニカル運動を促進する要因が、諸教会の問題だけではなく、どのように協議会の経済的安定を確保していくかも議論された。
同協議会に出席した世界教会協議会(WCC)総幹事のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト博士は、「もし私たちが本当に神に召されたフェローシップを成す諸教会であるならば、諸教会の共同体は目に見える形での一致を目標に進んでいかなければなりません。私たちは共に聖霊とコイノニアの精神を証しする者であり、そのような一致、相互理解があるのではないでしょうか」と述べ、諸教会がコイノニアの精神の下に一致する活動を目に見える形で進めて行くことを促した。新約聖書におけるコイノニア(イエスの御霊にある交わり)は、聖霊による共同体の中の一致を示している。
トゥヴェイト博士の発言に対し、協議会に参加した代表者らは、神学的、聖書的な公会議優先のエキュメニズムの見解について言及し、国家的、地域的協議会の役割やエキュメニズムの見解の相違について確認し合った。
~諸教会の協働の重要性~
その他移民問題に関する文化社会的、地政学的課題についても議論し、いかにそのような背景の下でキリストの証をすることができるかについて検討がなされた。
MECC代表のポール・ロウハナ博士は、協議会において、中東の政治的混乱がMECCの直面する大きな課題であるとし、このような混乱の最中で、諸教会が一致して平和と一致を伝える役割が重要であると伝えた。
WCC北米プログラムエグゼクティブのナタシャ・クルカチ氏は「今回の協議会の目的は複数ありました。世界中の教会協議会において非常に切実な一致に向けた課題があります。またエキュメニカル運動における公会議優先の生活の基本的役割について共に模索していく必要があります。教会協議会の指導力を発揮していくためにも諸教会間の横のつながりを構築していくことが重要です。中東での会議では私たちの信仰が共にキリストに根付くものであり、共に互いの地域諸教会について学び合うことで価値ある機会が提供されることが確認できました」と述べた。