日本いのちの電話連盟(以下FIND)が2005年度の全国受信統計を発表した。統計数は、71万4138件で昨年の1万1852件と比べて大幅に増えていることがわかった。
男女別に見ると、男性は38万3462件、女性は33万676件と若干だが男性の相談件数が多いことがわかった。特に30代男性が9万件を越え、最も多かった。
2001年〜2004年の4年間の実施結果を見ると、2001年度は男性40.0%、女性60.0%と女性の受信件数が上回っている。2004年度では男性48.2%、女性51.8%と男女差は3.6%となった。年々、男女の受信件数の差が縮まっているものの、女性の受信数が多かった。しかし、2005年度、男性の受信数が上回るという結果がでた。
問題別に見ると、人生に対する問題に悩む人が多く、受信件数は17万3951件に及んだ。受信件数が一番多かった30代男性の問題別統計でも、人生のについての悩みが2万3933件と一番多かった。続いて、対人問題、性問題と続いている。
男性の受信件数が増えていることに関して、FINDは、徐々に重たい心の内を言葉にする男性像が想像されるという見方を示した。
また、1971年のFIND開設当初は青少年が多く利用していたのに比べ、現在は30代から40代の利用者が増えており、年代が変わってきたことから言葉で相談する事が不得手な若者が増えているのではと推測している。
いのちの電話は自殺をはじめとする「こころの危機」を未然に防ぐことを目的としている。相談者の「救いを求めるサイン」を受け止め、相談者の辛さを共有して聴くことを大切にしている。