キリスト教系NPO「ワールド・ビジョン・ジャパン」(東京都新宿区、峯野龍弘代表)は、今月6日までにインドで、スマトラ島沖地震の津波による被災者のための仮設住宅を2680世帯建設した。同団体に寄せられた献金と「ジャパン・プラット・フォーム」(国際緊急援助でNGO、経済界、政府を結ぶネットワーク)からの助成金で実現。同団体は公式ウェブサイトで「ワールド・ビジョンの支援があって希望を取り戻した」などの被災者の声を紹介している。
ワールド・ビジョンは、インドの津波被災地に、仮設住宅、運動施設、仮設小学校、仮設保育園、職業訓練施設などを設置したと報告した。また犯罪から住民を守るためのセキュリティや消防の設備を設置、現地行政と協力して行うことで効果を上げている。
今年3月に大地震が発生したニアス島では、ワールド・ビジョンの緊急援助チームが生活必需品等の支援物資を被災者6000人に届けた。精神面のケアも行っており、住民は「私たちを人として見てくれることが、かけがえのない励ましになった」と話している。チームは今後も援助活動を拡大していくとのこと。
被災地では昨年12月と今年3月の巨大地震の後、M6以上の余震が続いている。インドネシアやスリランカなどで、人々は「また津波がくるのでは」と不安な日々をすごしている。各国政府は被災者を対象に見舞金を支給するなどしているが、被災者の多さと国の経済状況から、被災者のほとんどが最低限の生活を送るだけの支援を受けられないままでいるという。