日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)から04年にカンボジアに派遣され、NGO「JOCSカンボジア」代表として昨年までの2年半の間、助産婦としての資格を持っていない伝統的助産婦に適切な助産介助のトレーニングを行なうなどの活動に携わってきた諏訪惠子看護師が先月28日、カトリック北仙台教会(仙台市青葉区)で報告会を行った。
諏訪看護師がカトリック信者であることなどから同教会を会場に報告会が行われ、教会の信者を中心に約30人が参加。会場ではカンボジアでの活動の写真も展示された。報告会で諏訪看護師は、カンボジアでの活動の難しさやどのようにしてトレーニングを行なってきたのか、またどのような成果が得られたのかなど、カンボジアでの活動全般を発表した。
JOCSは、まだ内戦が続く1980年代後半からカンボジアの現地調査を始め、92年にNGO「JOCSカンボジア」として活動を開始した。その後カンボジア・タケオ州を中心に、92年から95年までは「バディ郡での母子保健及び結核対策」、97年から01年までは「コンペン・PHC向上プロジェクト」、01年から06年までは「伝統的助産婦包括的プログラム(TIP※)」を行い、カンボジアの保健向上のために活動してきた。
その活動の中心となったTIPでは、カンボジア各地にある国立の「保健センター」と協力しながら、カンボジアの農村で伝統的な出産介助を担ってきた無資格の助産婦たちに、適切な出産介助の指導を行なってきた。
JOCSカンボジアは、その中心の活動であるTIPが「保健センター」との協力活動であり、現地の保健センターの技術が向上したことなどから06年にその活動を終了している。
諏訪看護師の報告会は全国各地の学校や教会での報告を含めて約40の会場で予定されており、今月30日にはJOCS主催の報告会「村のお母さんと赤ちゃんの健康を守ろう!」(参加無料、定員50名)がJICA地球ひろば(東京都渋谷区)で行われる。
各報告会に関する問い合わせは、日本キリスト教海外医療協力会・東京事務局(03・3208・2416)まで。
※TIP=TBA Integration Program、TBA=Traditional Birth Attendant