「世界人権宣言」に基づき国際的な人権問題に取り組む人権擁護団体「アムネスティ・インターナショナル」の78グループが13日、「Children need hugs, not guns(子どもに必要なのは銃でなく、抱きしめられること)」というテーマでチャリティライブを開催した。会場となった英国パブ「What the Dickens!」(東京・渋谷)には、100人以上が詰め掛けた。
アムネスティは今月5日から来月4日まで、元子ども兵士だったバンヤさん(ビルマ)とチャイナ・ケイテッツィさん(ウガンダ)をスピーカとして全国ツアー「子供兵士のいない世界を目指して」を行っている。今回のチャリティライブもその一環。会場では子ども兵士について書かれたパンフレットが配布され、バンド演奏中にはスクリーンに子ども兵士の写真が繰り返し映し出された。
「子供兵禁止のための世界連合」(CSC)によれば、現在196の国と地域で子ども兵士の徴募の政策と運用が実施されている。最多のアフリカでは子ども兵士の数が2004年中旬に10万人に達したといわれている。
今回のスピーキングツアーに参加する2人は幼少時代に兵役を経験し、現在は各地で子ども兵士撤廃を訴えている。全国14か所を回る予定。
今回の収益はアムネスティ・インターナショナルの活動資金として使われる。
バンヤさん
ビルマ(カレンニ州)出身。カレンニ人。13歳から子ども兵士として徴集される。HREIB(ビルマ人権教育機関)のスタッフとして子ども兵士の徴募、利用を止めさせるための提言活動、世界各地の子ども兵士が置かれている問題の情報共有など子どもの権利のために精力的に活動している。26歳。
チャイナ・ケイテッツィさん
ウガンダに生まれる。1984年、9歳のころから国民抵抗軍の兵士として旧政府軍と戦う。その間複数の軍の上官に性的関係を強いられた。95年に国外へ避難し、現在デンマークに在住。2002年「Child Soldier」を出版し、子ども兵士をなくすための活動をアムネスティなどのNGOとともに展開している。