【ニューヨーク】米紙クリスチャンポストによると、ニューヨークで中国聖書展示会が開催されたのを祝い、クリスチャンや教会指導者らが、丸一日にわたる中国宗教関係高官らとのシンポジウムを開催した。
米国聖書協会世界宣教理事長のウィリアム・ジェファーソン牧師は開会式に集まった100人もの出席者らに対し、カザフスタン聖書協会による「からし種のたとえ」(マルコ4章)のイラストを見せながら、「天の御国は、始めはからし種のようなものです。人が世界でもっとも小さな種であるからし種を取り、地面に蒔きました。それが蒔かれると、成長してどんな野菜よりも大きくなります」と説いた。
中国においてキリスト教徒は少数派ではあるが、中国国家宗教局の王作安副局長によると、中国におけるキリスト教徒の人口は1600万人にも及ぶという。
ジェファーソン氏のからし種のメッセージに続き、王氏は中国におけるプロテスタントの歴史とその成長について概説した。
王氏は、中国政府関係者らのキリスト教への対応について、「中国政府関係者らはそう簡単にはキリスト教を受け入れません、というのも、中国で1人の人がクリスチャンになるということは、中国共産党に誠実な1人の中国人を失うことになるという見解を持っているからです」と述べた。また現在そのような中国で1600万人ものキリスト教徒が存在していることについては、「驚くべき現象だ」と述べた。
この1600万人の中に、中国政府公認教会に属する数百万人は含まれていない。これら中国政府に認められていない教会信徒のことを、聖書展示会ニューヨーク委員会のチャールズ・C・ウェスト博士は、「内に秘められた」キリスト教人口であると述べた。これら中国政府の認可を受けていないキリスト教徒は中国全土に分散しているため、未だその本当の数は不明である。
王氏によると、中国では急速な社会状況の変化が生じており、今後更なるプロテスタント・キリスト教が中国国内で広まっていくか否かは、今後社会が発展する中で、中国キリスト教徒らがどのようにそれぞれの責任を果たしていくかにかかっていると指摘した。
王氏は、もし中国教会が国内でその健全な発展基盤を見出すことができれば、キリスト教福音主義は中国において大きな影響を持ち、健全な教会として発展していくだろうと述べた。
シンポジウムの間、王氏の話を賞賛する人もいれば、中国の宗教政策について疑問を抱く人もいた。
教会に対する中国政府の方針について王氏は、中国政府は教会と政府を分離する政策をあくまで保ち続けようとしていると主張した。中国政府は教会内部の活動について干渉せず、また同時に宗教活動はどんな国家の政策にも干渉しないという。政府は宗教関係の対策についてもこのような法に沿うよう努力していると語った。
また、中国教会は米国教会とは同様でないことも強調した。米国と中国の文化的背景は根本的に異なっている。しかし王氏は、このような困難を克服するために共に努力していくことを聴衆に呼びかけた。米国聖書協会会長ポール・アーウィン博士もこの呼びかけを歓迎した。
キリスト教の種は、数百年前に中国に蒔かれている。ジェファーソン氏は誰が種を蒔いたのかを聴衆に思い起こさせ、「それはキリストです。すべての問題の答えは私たちの心の中に刻まれている神の御言葉の中にあるのです」と訴えた。