東京バプテスト神学校(東京都文京区)で9日から14日まで、授業を一般の人にも公開する「神学校オープンウィーク」が実施された。13日には青山学院大学で大学院宗教主任を務める東方敬信教授の公開授業『現代神学』が、「物語の神学」をテーマに行われた。
授業は、東方教授と参加者が自己紹介をする和やかな雰囲気でスタート。東方教授は青山学院での授業の話などを取り上げ、自身が取り組む「物語の神学」を切り口に現代神学の授業を展開した。
20世紀前半に英国で登場した理論実証主義や、著書『心の習慣』などで知られるローバート・ベラー、文献学者アウエルバッハの聖書とギリシア神話を対比した文献学的な研究、自身の研究活動で交流もある新約学者のダン・ヴァイアやスタンリー・ハワーワスなど、様々な研究を取り上げながら、神学が物語を方法とする必然性について説明し、「リアリティーのあるイエス・キリストを証する」方法としての物語の神学について語った。
先週1週間で公開されたのは11の授業で、合計7人が公開授業を見学。その内5人が正式に聴講を申し込んだ。同神学校では、授業の初回を公開する「神学校オープンウィーク」のほか、夏季・冬季の集中公開講座などを毎年行っている。
東京バプテスト福音宣教学院として発足してから今年9月で45周年を迎える同神学校は、通学が不可能な学生のための通信授業、また今年度からは卒業要件を緩和した「信徒リーダー養成コース」を開設するなど、「カルチャースクール感覚で学べる神学校」として開かれた授業を展開している。現在、約60名の学生が学んでいる。