世界の諸教会で作る人道援助ネットワーク「アクト」はアフリカ・ニジェール共和国について、前年の収穫だけでは4ヶ月もたたないうちに食料が尽きてしまうと警告を発しているという(赤十字社)。
アクトは今後2,3ヶ月以内にニジェール国内において深刻な食料不足が生じると予測しているという。
アクト国際同盟の会員らは既に昨年干ばつとイナゴの大発生によって生じた食料飢饉以来、ニジェール該当地域で支援活動を継続して行っている。
アクトインターナショナルは飢饉に直面している地域で前年生じた飢饉以来支援活動を継続して行っており、新たな大飢饉を避けるために対応策を実行しているという。
とりわけルーテル世界救済(LWR)とスイス教会援助(HEKS)が先手をとってACTの反応に答えており、緊急食糧支援や将来的な食料供給状態を改善するための対応策を講じているという。
アクト会員らがニジェールで継続して発生している食料供給不安定な状況に対する懸念が増すにつれて、アクトは昨年7月に開始された支援活動の進展に伴い、新たな呼びかけを行っているという。
既にLWRとHEKSでは、昨年の飢饉よりもさらにひどくなると予想されている今後発生見込みの大飢饉について穀類の貯蔵を開始するなどの準備を開始しているという。
アクトは飢饉に直面する人々に対する莫大な需要を満たすための資金集めに重点を置いている。
ノルウェー教会援助およびアクト会員で今回の飢饉対策計画調整役のイングヴィルド・ランガス氏は、「今度発生が予測される大飢饉対策はとても大きなチャレンジであり、多くの人々が食糧不足に直面する。短期緊急対策だけ考えても、被害に直面する多くの人々に対する莫大な支援金が必要とされている。」と述べた。
環境変化に伴って実施された地元農業改善教育で幾分かの改善が見られたものの、将来の危機を防ぐためには食料安保や政治的支援を確固たるものにするなどより大きな対策が求められている。
アクトはLWRやHEKSを通して農業休業期における収入源確保のための教育支援、食糧配給方法の改善トレーニングなどのいくつかのプロジェクトを支援している。
LWRやHEKSのような小規模のNGOはまた地元国連支援パートナーとも提携して支援活動を行った。この支援活動は、昨年12月にニジェール大統領が国連に対して政府の認可なしに食糧支援を行っていると非難したのを受け、支援団体が援助を停止するまで行われていたという。
国連は食糧援助活動を再開する前にニジェール大統領からの承認が得られるのを待っているという。
アクトは1100万人以上もの人口を包含するニジェール国における大飢饉の状況は危機的なものになると警告している。昨年の収穫では4ヶ月も食料配給を継続することができず、食料供給不安定状態は年々深刻さを増しているという。