礼拝参加者4万人と米最大のプロテスタント教会、レイクウッド教会(テキサス州ヒューストン)を牧会するジョエル・オスティーン牧師とビクトリア夫人は、最近発売した新刊を記念してニューヨークを巡るツアーを行った。希望的なメッセージを中心とするオスティーン氏の説教は人気が高く、記念サイン会は多くの人でにぎわった。
今月発売されたオスティーン氏の新刊『ザ・クリスマス・スピリット』(原題:The Christimas Sprit)では、少年時代にオスティーン氏が経験したクリスマスのストーリーなどが紹介されている。神の子イエス・キリストの降誕を祝うクリスマスに人生で最もの大切なことは何かを思い起こさせるとともに、家族の絆の大切さを説く内容となっている。
10月に発売されたビクトリア夫人の新刊『心からの贈り物』(原題:Gifts From the Heart)は、子ども向けの絵本。王様の誕生日を祝う準備をするために旅をすることになったある兄妹が、最も大切な贈り物はお金で買うものではなく、心から来るものだということに気づくストーリーが描かれている。
オスティーン氏が牧会するレイクウッド教会は信徒数では全米最大で、米国でも最も注目を集める教会の一つだが、オスティーン氏の説教を批判する声もある。批判者は、オスティーン氏の説教が聖書の語る罪やイエス・キリストの十字架よりも、積極的で自立的な生き方ばかりを強調するものになってしまっていると指摘し、聖書の核心である「福音」を薄めてしまっていると言う。
しかし、15日にニューヨーク市内の大型書店で行われたサイン会は、購入した書籍にサインをもらおうとする人々の列ができるほど盛況だった。
昨年母親を亡くしたときオスティーン氏の説教を聞いて前向きになれたと話すマリア・メレンゼさんは米クリスチャンポスト紙のインタビューに応え、「オスティーン牧師の説教を聞く度に、感動があり困難の中にある私を助けてくれます」と話す。
クリスチャンであるメレンゼさんは、オスティーン氏のメッセージが無神論者であったボーイフレンドのリチャード・ムリエフさんを変える手助けをしてくれたと言う。2人は毎週放送されるレイクウッド教会の礼拝を欠かさずテレビで見ているという。
「他の教会は、世の終わりについて話して、信仰を持つようにと人々を怖がらせているよ。だけど、僕はオスティーン牧師のクリスチャン臭くないスタイルが好きだ」とムリエフさんは言う。ムリエフさんは、オスティーン氏が今日的な事柄を説教で良く扱っていると言い、「僕は人生の長い間、無神論者だったけど、オスティーン牧師は神様について2倍考えるようにさせてくれる」と話す。
カトリック教会の礼拝に出席しているというナターシャ・サニーさんは、毎週インターネットでオスティーン氏の説教を聞いていると話す。「カトリックの礼拝は聖書を単純に読まれるべきものとして扱っているが、オスティーン牧師のメッセージはより現実的」と語った。