まことに、あなたがたに告げます。何でもあなたがたが地上でつなぐなら、それは天においてもつながれており、あなたがたが地上で解くなら、それは天においても解かれているのです。まことに、あなたがたにもう一度、告げます。もし、あなたがたのうちふたりが、どんな事でも、地上で心を1つにして祈るなら、天におられるわたしの父は、それをかなえてくださいます。ふたりでも3人でも、わたしの名において集まる所には、わたしもその中にいるからです。(マタイによる福音書18章18節〜20節)
新緑が萌え出でる季節ですが、神が創られた被造物の中で、私たちはもっとも愛されている存在ですから、自然界以上に神から祝福をいただくことができます。日本の社会に重苦しい話題が多いからと言って、私たちの心まで重苦しくされる理由はどこにもありません。
今日開いた聖書は、主イエスの有名な御言葉です。イエス・キリストの御言葉は、生ける神の御言葉です。それを私たちがしっかりと自分のものとして受け止める時、神の御業が私たちの人生の中に実現していきます。イエスは私たち信仰のにぶい者に、常に信仰の基本中の基本を語ろうとされました。私たちは信仰の基本に忠実な、神の御前で子どものように素直な者でありたいと思います。信仰の新鮮さを保つための、3つのステップがあります。
1.「一人の世界」ではない信仰の世界
信仰の世界は、決して、一人相撲、一人芝居の世界ではありません。自分ひとりで考えていたり、想像したり、勉強することが信仰ではありません。信仰は、いつも私たちと、生きて働かれている神を結びつけています。あなたの信仰は、実はどんなに離れているように思えても、神に結びついています。そして、あなたの祈る祈りは、霊的な神の領域、天において、神の御手を動かす祈りになっていることを知って下さい。
今の世の中は、華やかでコミュニケーションに溢れているように見えながら、家族と一緒に暮らしていても、心はばらばらだったり、隣りに誰かいても、その人のことは全くわからなかったり、心は自分だけの狭い世界に閉じこもりがちです。自分の部屋に引きこもっているだけが引きこもりではなく、精神的に引きこもって、友達であろうと兄弟であろうと親であろうと、誰ひとり自分の大切な心の中の事柄にはふれさせない、「自分ひとりの小さな世界の中で楽しく生きていればいい」と思っている人が溢れています。
でも、もしあなたが「私はイエスによって罪贖われた信仰者です。クリスチャンです」と告白できるのなら、あなたは決してひとりぼっちではありません。信仰者の生き方とは、もはや、ひとりぼっちであることを放棄した、神と共に歩む生き方です。「神との関係」が与えられていることをはっきりと知りたいのです。
2.2人が心を1つにして祈る時、答えられる祈り
「祈りが聞かれるか試してみたいのなら、ふたりで祈ってごらん。そうすれば答えられる」と主はおっしゃっています。それが、祈りが答えられる大きな秘訣なのです。霊的な引きこもりのように、ひとりで孤独に祈るのではなく、思い切ってあなたの願いをだれかに伝えて、祈り合うことです。何万人の大教会でなくても、ふたりが心を1つにして祈るなら、神の力がはっきりと現われることを体験していきたいのです。
中学校の頃、私たちは素直に先生の言うことを聞いて、理科の実験をしてみました。水は、水素と酸素からできているなんて信じられませんでした。でも、実際に水を電気分解してみると、ちゃんと目の前の試験管に水素と酸素が出てきました。
イエスは私たちに霊的な実験をするように言われています。教会に来た時も、是非そのチャンスをつかみましょう。集会の始まる前、終わってからの短い交わりの中で、祈ってほしいことがあれば、お隣りの兄弟姉妹と共に、祈り合いませんか。そうすれば、神は祝福して下さいます。
3.2人、3人の交わりの持つ意味
たとえ何百人、何千人でなくても、2人、3人で、キリストの名によって集まると、キリストがそこにいて下さる、霊的な臨在が起こります。神が共にいて下さる霊的な空間が生み出されるのです。
キリストの臨在が共にあるということは、どういうことでしょうか。新約聖書の時代、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書が語ったように、イエスがそこにいて下さると御業が起こるのです。使徒の働きでは、キリストが弟子たちと共にいて下さり、聖霊によって病める者は癒され、人々は救われ、教会は誕生し、祝福は押し広げられていきました。
何か特別な、すごいことをしなければ神の恵みにあずかれないわけではありません。今の時代でも、祈りの会や、喜びの証しの交わり、家庭集会、少人数の礼拝で、キリストの臨在は約束されています。この恵みをいただいていきましょう。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。