3年前に天に召されたインドの伝道者サドゥ・チェラッパの驚くべき証しの最終回だ。以下は、インタビューに答えた彼自身の言葉だ。(第2回はこちら、第1回から読む)
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必要が備えられ、私は主の働きに専念して奉仕するために仕事を辞めることを考えました。しかし私の雇用主は、私が辞めることを望みませんでした。彼は「雇用更新のサインをしてくれ。そうすれば帰ってもいい。私は君にここにいてほしいと思っている」と言いました。彼はヒンズー教徒で、私の人生の変化に驚き、魅了されていました。しかし、最終的に私は「主よ、本当にあなたが私を奉仕の道に召しているのなら、何かしるしを下さい」と祈り、仕事を辞めたのです。
翌日、家に食べ物を持ってきてくれる兄弟が、「あなたのことを夢に見たんだ。君は何かオレンジ色の飲み物を飲んでいた」と私に伝えに来ました。私は「そのオレンジ色の飲み物ってファンタか何かかい」と聞くと、彼は「いや、そうじゃないんだ」と答えました。
次の日曜日、教会には預言する女性がいたのですが、彼女は私に預言して言いました。「神はあなたをヒンズー教徒に遣わします。ちょうどパウロが異邦人に遣わされたようにです。あなたはサフラン色の服を着ることになるでしょう。これは神からの言葉です」
私は信じられませんでした。妻と7人の子どもがいる私が、サフラン色の服(これはヒンズー教の修行者または聖者が着る服の色で、サドゥとはまさにヒンズー教の聖者、修行者を意味するタイトルだ)を身にまとって、一体どのようにして、ヒンズー教の国でイエスのことを宣べ伝えることができるでしょう。インドでは、サフランは聖なる色で、それは人生のあらゆる執着を放棄することを意味します。そこで私は、これが主から来たことなのかを確かめるために、祈り始めました。
4日後、小柄な男が私の家のドアをノックしました。ドアを開けると、彼は私にメモを見せながら「これはあなたの住所ですか」と聞いてきました。私が「はい。そうです」と答えると、彼は「これを受け取ってください」と言って、大きな包みを手渡したのです。それを開くと、10メートルにもなるサフラン色の織り布が入っていたのです。
驚いて私は彼に尋ねました。「一体、なぜこれを私に持ってきたのですか。私たちはお互い見ず知らずですよね」。すると彼は「私は教師をしています。実は今朝、夢を見たのです。夢の中で手が現れ、学校の教師が黒板に書くように、その手はあなたの名前と住所を書いたのです。そしてサフラン色の布を10メートル買うようにと示しました。それで私はこれを買って、あなたの元に来ました」
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このようにして、明確な召しを受けて、サドゥ・チェラッパはヒンズー世界に福音を宣べ伝えるために立ち上がった。使徒パウロは次のように言っている。
「私はだれに対しても自由ですが、より多くの人を獲得するために、すべての人の奴隷となりました。ユダヤ人にはユダヤ人のようになりました。それはユダヤ人を獲得するためです。律法の下にある人々には、私自身は律法の下にはいませんが、律法の下にある者のようになりました。それは律法の下にある人々を獲得するためです。律法を持たない人々に対しては、――私は神の律法の外にある者ではなく、キリストの律法を守る者ですが――律法を持たない者のようになりました。それは律法を持たない人々を獲得するためです。弱い人々には、弱い者になりました。弱い人々を獲得するためです。すべての人に、すべてのものとなりました。それは、何とかして、幾人かでも救うためです」(1コリント9:19〜22)
チェラッパもまた、キリストのためにヒンズー教徒を獲得するために、サドゥを名乗ってヒンズー聖者の姿に身をやつして、その伝道生涯を全うした。
近年、ヒンズー国粋主義者たちによるキリスト教弾圧が過激化するインドだが、敵意を征服する力のあるキリストの福音を伝える兄姉たちが、チェラッパの意思を受け継ぎ、インドの福音化のために、なお身をささげることを願ってやまない。彼らが迫害から守られ、インド宣教が前進するように祈っていただきたい。
■ インドの宗教人口
ヒンズー 74・3%
プロテスタント 3・6%
カトリック 1・6%
英国教会 0・2%
イスラム 14・3%
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