自らの意思に反して近親者が「神」「英霊」として靖国神社に祀られている遺族9人が、靖国神社に対する合祀取り消しと、国と神社への損害賠償を求めていた事件で大阪地裁は2月26日、原告の請求を棄却した。村岡寛裁判長は、「合祀行為は、他者に強制や不利益を与えるものではなく、原告らの法的利益が侵害されたとは認められない」とした。原告側は控訴する方針。
靖国神社を被告とする訴訟で、合祀の妥当性に関する司法判断が示されたのは今回が初めて。
判決は、「敬愛追慕の情に基づく人格権を侵害された」とする原告の主張について、「合祀という宗教的行為による不快や嫌悪の感情と評価するほかなく、法的利益とは認められない」とした。