・・・それを見たとき、羊飼いたちは、この幼子について告げられたことを知らせた。それを聞いた人たちはみな、羊飼いの話したことに驚いた。しかしマリヤは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。羊飼いたちは、見聞きしたことが、全部御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。(ルカの福音書2章8節〜20節)
来年からの裁判員制度開始に先立ち、30万人近くに裁判員に選ばれる可能性があるという通知が送られました。しかし、その中の4割の人々が拒否の反応を示したのです。単に仕事や特別な理由ではなく、自分の中にある罪深さや弱さ、律法を犯している部分を知っているため、自分には人を裁く資格が無いと感じて裁判員を拒否する人が実に多くいるのです。
全ての人にとって一番重大な問題は心の闇、罪があることです。このクリスマス、私たちはイエスの救いの力を改めていただいていきましょう。
今日特に注目したいのは10節と17節にある「知らせ」という言葉です。ここから良き知らせ、グッドニュース「福音」という言葉が誕生しました。ここの箇所から、2つのことをあなたの心の中に刻み付けてほしいのです。
1.良き知らせを私たちに伝えて下さる神
神から遣わされた御使いがこの良き知らせを羊飼いに伝えました。人事ではありません。神はあなたにも今日この礼拝の中で語りかけて下さいます。聖書はこの世界の全てのもの、そして命さえも創られた神の方から、あなたに語って下さり、働きかけて下さると語っています。
家族なのにコミュニケーションがないことは辛いことです。昔は家族一緒にいる時間が長かったのに、今は皆バラバラで顔を合わせることもなく、言いたいことはメールで済ませ、一言も生の言葉を交わさず、表情を読んだり声のトーンを聞いたりすることもなく、肌で触れ合わなくなり、人生がどんどん色あせています。
どんなに快適な環境があり豊かでも、人々や家族との優しい言葉や笑顔などのコミュニケーション抜きにして本当の幸せはありません。そして人は、神との関係を抜きにしては本当に幸せになることはないのです。
私たちの神は、私たちが神の怒りを鎮めたり、最後の最後、わらでも神でもすがりたいときにこちらから関わるような神ではありません。神の方から良き知らせをあなたに伝え語りかけてくれています。神があなたに対して語りかけておられることを聞き漏らさないで下さい。
2.良き知らせは人から人へ伝えられる
神からの知らせを聞いた羊飼いたちは、ベツレヘムの馬小屋に出かけ、その知らせの通りにヨセフとマリヤと共にいる赤ちゃんのイエスと出会いました。確かに彼らは御使いたちに告げられた通りのことを目撃したのでした。
そして、彼らは御使いが語った言葉をヨセフとマリヤに伝えました。この良き知らせ、グッドニュースは神から私たちに伝えられただけではなくて、今度は私たちから人々に対して伝えられるのです。
二千年経っても、今もクリスマスが祝われているのは、この良き知らせが世界中の人へと伝わって行ったからです。
悪いものが伝染している時代だからこそ、私たちは笑顔や優しい言葉を通して神が与えておられる素晴らしい人生があることを人々へ伝えていきましょう。
この良き知らせ、人々を生かし解放する、命の知らせにこだわって歩んでまいりましょう。クリスチャンのいるところには常に恵みの臨時ニュースが流れます。
人は必ず誰かと一緒に生きていますが、私たちは弱い者ですから、大きな問題や悩みや借金など、連帯保証人としてのハンコをついて完全に一緒に背負ってあげることはできません。でもイエスは、罪により裁かれる私たちの連帯保証人となり、代わりに全部背負って死んで下さいました。十字架の上でご自分の血で契約のハンコを押して下さったのです。
イエスが共にいて下さることによって仕事や健康、家族や人間関係、将来の計画や経済、どんなことでも答が与えられクリスチャンとしての物語が動き始めます。
神からの知らせは、まず羊飼いたちがその実現を見ました。マリヤも実現を生涯を通して見ました。そして私たちは、既に二千年間のクリスチャンの歩みの中で、イエス・キリストがどんなに素晴らしいことをして下さるか、その知らせの実現を見てきました。後は、今の人生を生きる私たちが現在進行形で、私の人生の中にこの主の福音がどんな素晴らしい事実を生み出すかを体験してまいりましょう。
伝えられなければならない知らせ、それがイエスの誕生でした。あなたがこのイエスを自分の心の中に受け入れてこそ、あなたの人生も価値を持ちます。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。