7月30日、台湾民主化の父と呼ばれ、自らのキリスト教信仰を事あるごとに証ししたことでも知られる李登輝元総統が97歳の長寿を全うし天に召された。
彼は、日本統治下の台湾で生まれ育ち、学徒として志願し、帝国軍人として先の大戦を戦い終戦を迎えた。
総統時代には、それまでの反日ありきの台湾歴史教育を改め、真理を愛するキリスト者らしく、公正な観点からの歴史教育を公立学校で実施した。その結果、当時「化外の地」と呼ばれ見捨てられていた台湾だが、帝国日本の尽力により発展を遂げたことが分かり、多くの台湾人が、日本を愛し尊敬するようになった。
これにより李登輝氏は、戦前の日本を直視できなかった多くの日本人の破れ口に立ったことでも知られ、日本の保守派中心に多大な影響を与え、大きな評価を受けている。
61歳にして総統となり、台湾の自由と自立のために政治の舞台に立ったのだが、無血のうちに台湾民主化を成し遂げた自らを、解放者モーセになぞらえて語っていたことがメディアを通じてよく知られている。
極めて重要な政治的決断においては“創造主への信仰”こそが最も重要であったと証言した氏の言葉を、日本のあるジャーナリストは印象的に記憶していると言う。
30代半ばで、夫人の影響から長老派のキリスト信者となった李登輝氏だが、台湾総統になっていなければ、台湾山地族への宣教師になっていたと言うほどに、彼は信仰の人だったようだ。
歴史的に大きな役割を果たして、天に帰られた氏の働きの故に、神に感謝しよう。
膨張主義にひた走る中国共産党の香港に次ぐ標的は台湾民主主義だと言われる今、李登輝氏の意志を継ぐ台湾国民らの自由と自立が守られ、中国共産党に対する、自由民主主義諸国の防波堤として立ち向かうことができるように祈っていただきたい。
また氏の信仰の足跡に踏み従う台湾の兄姉らが、伝道に励み、台湾の福音宣教が進むように祈っていただきたい。
■ 台湾の宗教人口
道教 60・7%
仏教 28・8%
プロテスタント 3・9%
カトリック 1・3%
イスラム 0・4%