影響力を持つカリスマ派の教会として知られるベテル教会(カリフォルニア州)が、同州で大きな被害を出している山火事「カー火災」により家を失った全世帯に、義援金として千ドル(約11万円)を支給する。
数千人のメンバーを擁するメガチャーチとして知られ、ベテル・ミュージックの拠点でもあるベテル教会は、約3週間前にカー火災が発生した同州北部レディングに位置する。今回の義援金について、教会のウェブサイト(英語)では次のように述べている。
「私たちの教会は信じ難いほど祝福されています。世界中の人々が私たちのために祈ってくださり、レディングにある私たちのコミュニティーに献金してくださり、さまざまな支援を提供してくださっているからです。気前のよいささげ物が贈られてくることには頭が下がりますが、非常に必要とされるものでもあります。世界中のクリスチャンが結集し、一人だけでは決してできない大きな支援が与えられています」
「私たちが家を失った市民に経済的な贈り物をすると決めた当初、被害を受けた家庭は150世帯から200世帯だと報告されていました。しかしわずか3日後には、その数は千世帯余りに増えました。私たちが寄付を募って支給しようと考えていた金額は計20万ドル(約2200万円)でしたが、それが100万ドル(約1億1千万円)を超えたのです」
当初の20万ドルを義援金としてささげる計画ですら「勇気のいるものでしたが、私たち自身の力で献金できる額でした」と同教会は述べる。
「しかし、100万ドルは神様サイズの信仰のステップです。私たちはこの点について神様に信頼しています。今では世界中の友人たちがキリストの手となって、この町に救いの手を差し伸べようとしています。その寛大さが国際社会からの贈り物によるものであろうと、私たちの教会財政によるものであろうと、私たちはその決意に敬意を払う所存です」
義援金の受給資格は、レディングあるいはシャスタ郡在住であることと、戸建て住宅が主たる住居であること。また、住宅が半焼を超える被害を受けたことが地元住宅局の報告書に記載されていなければならない。別荘やセカンドハウス、賃貸物件を失った世帯は対象とはならない。
山火事が発生してから数日後、ベテル教会は避難者を受け入れなかったため、ソーシャルメディア上で非難を受けた。同教会は避難場所となる旨を申し出ていたが、山火事の現場に近過ぎることと、教会の敷地に通じる道路が1本しかないことを考慮し、被災者の宿泊場所としては適切ではないと判断された。その後、赤十字社はこの判断が正しかったことを確認しており、同教会は現在、救世軍による救援物資の配布拠点として場所を提供している。
ベテル教会付属の災害救助団体「ベテル・グローバル・レスポンス」は、「アッシュ・アウト」と呼ばれる救援チームを配備しており、被災した住民が貴重品を回収するために、自宅から灰を取り除く作業を数百人態勢のボランティアで手助けしている。
「家を失った方が、もう取り戻せないと思っていたものを見つけるのを助ることができたときの気持ちは、言葉では言い尽くせません。前に進むために手を取り合って協力する。それはイエス様のように生きることの意味でもあると思います」
ベテル教会のビル・ジョンソン主任牧師は5日、同教会のボランティアや他の教会、またさまざまな団体が支援を申し出て、「信じ難いほどの協力」に人々は興奮していると述べた。
「今、現実に起きていることは、神の力が町中に解き放たれたことを自然な形で示すしるしです。この惨事は、愛に満ちた御父によって引き起こされたものではありません。先週述べたとおり、ここ数日間、皆さんは荒らす者の声を聞いていましたが、今後数カ月間は回復者の声を聞き続けることになるのです。神はそのような高いレベルで回復の御業をなさいます。これまでに見たいかなるものよりも優れた位置で、回復の御業をなさるのです」
「カー火災」による死者は、これまでに少なくとも8人に上り、焼失面積は横浜市の面積の約2倍に相当する8万6800平方メートル(15日現在)に及ぶ。15日までに全体の約7割は鎮火したが、今現在も消火活動が行われている。