香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストは、中国公安当局が18日、政府非認可のキリスト教教会「中国家庭教会連合会」の張明選牧師夫妻を滞在先の北京から河北省に強制追放したと報じた。
同紙によると、張氏夫妻は北京市内の宿泊施設から7人ほどの私服警官に無理やり車に押し込まれ、河北省の宿泊施設に運ばれた。警官は張氏に対し、「五輪期間中、北京に滞在するな」と話したとされており、北京五輪期間中の張氏と海外要人との情報交換を阻止することが狙いと見られている。
中国では法律的には信教の自由が謳われているが、教会は政府公認の中国基督教協会(CCC)に加盟することが義務付けられており、未加盟の「地下教会」は弾圧の対象とされている。
しかし、その一方で中国国内のキリスト教徒の増加は著しい。日本キリスト教協議会(NCC)中国委員会によれば、中国が独立したばかりの1949年には、中国国内のキリスト教徒(プロテスタント)の人口は約85万人であったが、04年の統計ではプロテスタント(公認教会)のみで1800万人のキリスト教徒がいるとされており、今月には米紙「シカゴ・トリビューン」が中国のキリスト教徒が7000万人を突破し、中国共産党員にも匹敵する勢いなどと伝えている。