一寸の虫にも五分の魂という。動物を殺して食べるのは殺生であるからよくない。
牛や豚、羊や鶏を屠殺(とさつ)し、海の魚を捕獲して食用にすることは殺生だからよくない、と仏教は教えます。どのような理由で動物にまで不殺生戒を広めているのかよくは分かりません。すべてのものに仏性が宿るという悉有物性(しつうぶっしょう)〔汎神論〕から由来するのであれば、植物も食べるべきでない、ということになります。
一方、聖書は、ノアとその息子たち(当時の人間のすべて)にこう述べています。「生きて動いているものはみな、あなたがたの食物である。緑の草と同じようにすべてのものをあなたがたに与えた」と。ここで、人間と動物とは取り扱いを別にし、原則としてどんな動物をも食用にすることを認めています。
人間の造り主であり、かつ動物の造り主が、そのように基準を与えてくれたわけです。人間が生きていけるように、栄養を豊かにしてくれた神様の恵みに感謝したいと思います。
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