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なにゆえキリストの道なのか

なにゆえキリストの道なのか(78)善悪の知識の木とは何なのか 正木弥

2017年2月12日16時27分 コラムニスト : 正木弥
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関連タグ:正木弥

創世記の記事で、人は「善悪の知識の木」からどうして取って食べてはいけない、とされたのか。善悪の知識の木とは何なのか。

いろいろな解釈があります。

その木はどんな木でもよい。特別なものではなく、何の害もない木である。神はただ人が神の命令を守るかどうかの試金石(あるいはリトマス試験紙)にしようとされたのだ。この木から取って食べないことを神に従うしるしにし、逆に取って食べるなら神に背くことの表れにしようとされたのだ、というもの。

しかし、その木には、わざわざ「善悪の知識の木」という名前があります。しかも4カ所で名前ないし効果として、その言葉が出ています。(創世記2:9、同2:17、同3:5、同3:22)

こだわりがあります。それに意味がないとは思えません。単にしるしの木だという以上に、善悪を知るようになるという効果をもたらす木ではないか。

では、なぜ善悪を知ってはいけないのか、という問題が出てきます。人間は善悪をわきまえることこそ大切なこと、宗教はむしろそのことを教えるためにあるのではないか、といえるでしょう。すると、善悪の知識の木から取って食べてはならない、という神の命令は分かりにくい。

「善悪を知る」とは、実質は悪を知ることだ、という見方もあります。悪を知ることにより、その反対概念として善を知ることになる、悪を知らなければ善に囲まれ、善以外のものを知りようがない、善が当たり前であって、それを善だと意識することがなかったのだ、と。悪を知ったからこそ、「ああ、あれが善であったのか」と。ならば、善悪は知らない方がいい。だから、神は人がそうならないよう禁止されたのだ、という。

悪を知ると善を行う実行力がなくなる。また、悪を知ろうとすることは危険であり、不幸である。例えば、不倫を体験してみようとして、深みにはまり、抜けられなくなってしまう。だとすれば、悪は知らなくてよい。悪については無知であることを恥じる必要がない。そういう意味で、善悪の知識は禁断の木の実であった、と。

別の解釈もあります。

① “善悪を知る”とは、人間が自分の理性で善か悪かを判断することだ、というもの。人間は本来自分で判断せずに、いつも神の言葉に従っていれば間違うこともなく、幸せである。ところが、善悪の知識を持ち、善悪を自分で判断するようになると、神の命令よりも自分の判断力を優先するようになりがち。それは創世記3:5で蛇が述べたごとく「あなたがたが神のようになること」なのだ。それを望んで実行したことがアダムとエバの罪の根源であり、原罪というものだ。つまり、自分の判断力を神の言葉(命令)の上に置いて、善悪の知識の木から取って食べたのだ。

彼らの末裔である私たちは、皆、一人一人神のようになって、自分の判断を自分の基準とし、自分で善悪を判断して生きようとする。自分が小宇宙の主になっている。それが生まれつきの姿である。ただ、神を信じる者のみが自分の判断力よりも神の言葉を優先することができる。

② 性道徳などは、特にそれが顕著に現れている。どんな行動をしても犯罪にならないので、自分の判断だけで自由きままに振る舞う。さまざまの理由をつけて不倫・不品行を正当化してしまう。神の言葉がない人には歯止めがない。それがこの世のありさまである。

③ 過ぐる18世紀、19世紀は、信仰に代わって、人間の理性・知性が中心の時代となった。哲学者や思想家たちはこぞって神よりも人間、信仰よりも理性を強調し、いわゆる啓蒙(けいもう)主義思想の時代となった。この啓蒙という言葉は「人間の理性や知識によって蒙昧(もうまい)を啓(ひら)こう」というもので、創世記3:5の蛇の言い草、「善悪の知識の木から食べるとき、あなたがたの目が開け、神のようになり、善悪を知るようになる」と同じ趣旨だ。

この啓蒙主義思想で人類は幸福になっただろか。理性と知性、その行き着く先は有史以来の大戦争(それも2度までも)で、悲惨きわまりない事態を引き起こした。現代も、姦淫・薬物・アル中・ギャンブル中毒・貧困・家庭の崩壊・飢餓・ホームレス・環境破壊などが世に満ちて、寂しい、索漠とした世界になっている。これが、理性・知性(人間的判断力)の結果なのだ。

④ 理性と知性の所産である哲学は、何が善であるか、何が悪であるか、その定義すら定まっていない。20世紀最大の哲学者バートランド・ラッセルは「何が善であるのか何が正義であるのかは、人が牡蠣(カキ)が好きかどうかと同じである」(つまり、人によって違う。好みの問題だ)と述べた。哲学の最高峰にしてこれだ。

まとめると、神の言葉(命令)よりも(善悪についての)人間の判断力を上に置くと(すなわち、人間が神のようになると)悲惨な結果を招くようになる。

なお、「取って食べるそのとき、あなたは必ず死ぬ」と警告されたが、アダムたちもエバも死にませんでした。それは、「必ず、すぐ死ぬ」との警告ではなかったので、不成就ということにはなりません。ただし、アダムとエバは直ちに(主の御顔を避けるようになり)霊的に死にましたから、その点では成就したのです。

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◇

正木弥

正木弥

(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)
『創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から』
『なにゆえキリストの道なのか』

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:正木弥
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