北朝鮮軍は31日正午過ぎから開始した黄海上の軍事境界線「北方限界戦(NLL)」付近での射撃訓練で、500発以上を発射し、内100発がNLLを越えて、韓国側の海域に落下したことが分かった。一方、韓国側はこれに応じる形で約300発を応射した。共同通信が韓国国防部の情報として伝えた。
北朝鮮軍は31日午後0時15分ごろから射撃訓練を開始。韓国の聯合(ヨンハプ)ニュースによると、北朝鮮軍による射撃訓練は同3時半まで続き、7つの海域で8回にわたって行われたという。共同通信によると、北朝鮮軍は海岸側から火砲や多連装砲など500発を発射した。これに対し、韓国軍はK9自走砲で300発を応射。これまでの報道によると、双方に被害は出ていないという。
一方、NLLに近い白翎(ペンニョン)島と延坪(ヨンピョン)島の住民には退避命令が出され、緊急避難した。
北朝鮮側は同日朝、NLL付近の西岸沖で船舶の航行を禁止する区域を設定。韓国側に射撃訓練を実施すると通告していた。
北朝鮮は2010年8月にもNLL付近で射撃訓練を行い、117発を発射、内10発余りが韓国側の海上に落下したことがある。この当時、韓国側は応射は行わなかった。