日本バプテスト連盟の性差別問題特別委員会が、沖縄県の普天間在日米軍基地の移設に関して「辺野古埋め立て申請承認への抗議と即時撤回を求める要望書」をを提出した。
同委員会は要望書で、日本国土の面積の僅かな面積である沖縄県に大部分の米軍基地があること、辺野古から36キロメートル離れた基地予定地から飛行機が墜落する危険性、子どもが受ける恐怖心、県民の失望、環境への悪影響、世界平和に寄与しないこと、安部首相の靖国参拝、米軍兵士による性暴力事件、政治家だけが「いい正月」を迎えるおかしさなどを指摘し、辺野古埋め立て承認の撤回を求めた。
以下、要望書全文。
沖縄県民の代表である仲井眞知事が安倍首相からの要請に応え、2013年12月27日に県民との公約を破棄し、米軍普天間基地の移設先となる同県名護市に辺野古埋め立て申請を承認したことに驚きと憂いを持って抗議致します。
沖縄県は、日本国土のわずか0.6%にしか相当しない面積ですが、実に74%の在日米軍基地が沖縄県内にあります。宜野湾から辺野古までの距離はわずか36kmであり県内で飛行機墜落の危険性は取り除かれることもなく、辺野古埋め立てによって政府が声高に繰り返してきた「負担軽減」や「普天間の危険除去」が、成される事はありません。
子どもたちは、常に在日米軍飛行機の音や姿を日常の中で体験しており、表面から読み取れる恐怖心のみならず、成長過程で受ける身体的・精神的苦痛の総量は推し量ることは出来ません。沖縄県民の辺野古での座り込みは、17年にも及び、新基地 NO!の意思は明らかです。県民は幾度、在日米軍基地の問題で政府や県から裏切られ、失望させられるのでしょうか。「沖縄は日本なのか」という県民のやるせない思いは、一体何処に持っていけばいいのでしょうか。
基地が与える悪影響は動植物や環境にも及び、海の埋め立ては海の死を意味します。更に、沖縄に基地が押しつけられる理由として「国際情勢の緊迫」という言葉があげられますが、沖縄にある基地が国際情勢の安定を保っているという証明が何処にあり、政府が目指す新基地の原子力潜水艦や揚陸艦が、どうやって世界に平和をもたらすのでしょうか。
沖縄は、過去の戦争の歴史をみても分かるように、「本土の捨て石」としての役割を強いられ4人に1人が亡くなっており、ゼロ歳児や子どもであっても靖国神社に祀られています。それは、兵士として死んだのではなく、民衆が日常の中で戦争に巻き込まれていったことを表しており、この度の安倍首相の靖国参拝が更に沖縄の人々の心を掻きむしったことは言うまでもありません。日本の中で沖縄は構造的・思考的にも底辺に据えられ続けています。沖縄の民衆の思いは、無視され続けています。基地がある限り、米兵による傷害や性暴力事件が無くなることはありません。沖縄を秤にかけ国民の税金をもって引き替えに利用する国の在り方を改めるべきです。政治家が民衆の代表というならば、仲井眞知事は県民の意思を尊重すべきです。安倍首相は、政府の最高責任者として沖縄を偏りみることなく沖縄に対する人権無視を辞めるべきです。涙を流す沖縄県民をわきに追いやり、政治家だけが「いい正月」を迎えるおかしさに気が付くべきです。
わたしたちは、沖縄の民意を無視した辺野古埋め立て承認の即時撤回を強く求めます。