第19回「エキュメニカル功労賞」(日本エキュメニカル協会主催)の顕彰式が29日、東京・池袋の日本福音ルーテル東京池袋教会で開かれ、一般社団法人日本福音ルーテル社団(JELA)に賞状が贈られた。
JELAは1909年、「在日本アメリカ南部福音ルーテル教会ユナイテッド・シノッド宣教師社団」として設立。一貫してキリスト教主義に基づいた慈善活動を行い、長年にわたって日本のエキュメニカル運動に貢献してきた。近年ではエキュメニカル運動の一環として、病気や苦しみを持つ人々にハープと歌を通して祈りを届けるプログラム「リラ・プレカリア」(祈りのたて琴)を推進。研修プログラムには、教派を超えて受講者が集まり、広がりを見せている。
プログラムを発案したアメリカ福音ルーテル教会宣教師のキャロル・サック氏は、山田洋次監督の映画「おとうと」にも出演し、注目を集めた。音楽療法の一種ではなく、音楽による祈り、人間の魂の癒やしを志向する点で先駆的な取り組みと言える。病院や福祉施設などで開く公開セミナーには毎回、プログラムに関心を持つ多くの人々が集まっている。
式では、日本エキュメニカル協会理事長の松山與志雄氏がリラ・プレカリアの働きについて、「貧しき者、痛める者、悩める者、圧制に苦しむ者たちに執り成しの祈りを通して、ともに祈りをひとつにする」と高く評価した。JELA常務理事の長尾博吉氏は、「当社団の活動を通して、さらに日本における諸教会がその違いを超えて一致できるところで一致し、再び聖霊の導きによってひとつとなる日を望み、その日の到来することを祈り求めてやまない」と語った。