講師として講演を行った同教会教会員で藤女子大学教授の後藤昌彦氏は、現代の貧困問題について、「人類はいまだに貧困という問題を解決できていないが、そのことを理解すること、教会には『地の塩』として働く役割があり、そのためには今の社会を理解することが重要である」と伝えた。
後藤氏は貧困問題の起きる仕組みについて、高齢者、病気、障害など「売るべき十分な労働力がない場合」、および失業、低賃金など「労働力が再生産されるだけの賃金を獲得できない場合」について生じることを説明し、「生活が苦しくなると生活構造を組み替える必要が生じるが真っ先に抑えるのが食費で、次に抑えるのが被服費となる。雑費は抑えられない。この組み換えに失敗すると、家庭は崩壊し、人間らしさを失わせる」と貧困問題の深刻さについて伝えた。
日本が豊かな国であると思われがちであるが、実際生活保護の被保護者数は1951年に206万人、1993年に80万人、そして2010年には207万人となっており、日本社会の中にあっても貧困問題が深刻になっていることを伝えた。
その207万人のうち、41.3パーセントが高齢者、7.8パーセントが母子家庭、その他47パーセントの9割は病気、障害者となっていると説明した。
後藤氏は貧困者の救済を誰がするのかについて、貧困の原因をどうとらえるのか、貧困は自己の責任であるのか、社会の制度的欠陥であるのかという問いを投げかけた。
貧困者救済の国家責任が憲法25条、生活保護法第1条で規定されているものの、教会が貧困を救済する役割として、後藤氏はヤコブ書5章4節「未払い賃金が叫び声をあげている」、使徒の働き2章43節「信者になった者はみないっしょにいて、いっさいの物を共有していた」を掲げ、「地域に根差す教会として、地域社会のかわりに励まし、慰め合い、連帯する教会であること、孤独、孤立を無くしていける教会でありたい」と伝えた。
札幌レインボーチャペルは日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団に属する教会で同教団が1949年に発足して間もない1954年に開拓伝道がスタートした。
現在北海道内には13カ所のアッセンブリー教団の教会が建てられている。1986年に7代目となる下道定身氏が主管牧師に就任し、現在に至っている。教会名称は1993年に札幌神召基督教会から、札幌神召キリスト教会に変更、さらに1998年には教会の呼称を「札幌レインボーチャペル」とするに至っている。
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