ジョン・C・マクスウェル氏が創設したイクイップ・リーダーシップは、2012年現在、世界150カ国、45言語以上に拡大しており、アテマ氏は日本のイクイップ・ジャパン創立にも貢献した。ジョン・C・マクスウェル氏のミリオン・リーダーズ・インパクト第1巻テキスト4を用いてなされた今回のセミナーでは、「リーダーの祈り方」、それぞれのリーダーに与えられた「霊的賜物の発見」などについて講義が行われた。またビュッフェ形式のランチタイムや各講義後に講義内容についての評価と適用について参加者間で確認し合う時間が提供され、参加者間の交わりが促進された。
~霊的賜物の発見~
教会牧師、教職者、国内外ミニストリー奉仕代表者らが参加し、神の御心に沿ったリーダーのあり方についてテキストに沿った学習がなされた。テキスト内では、それぞれの人に与えられた霊的賜物を見出す「霊的賜物発見クイズ」が72問にわたって出題され、講義の合間にそれぞれが個別にチェックすることで「助け、リーダーシップ、もてなし、仕える、識別力、知恵」などそれぞれの人が個別に与えられた天性の賜物を再発見する時間も持たれた。
リーダーの祈りにおいては、自己中心な祈りにならず、戦略的な祈りをする必要があり、短期的な危機的状況の克服に捉われず、神が考えるように考え、それに基づいて祈ることが必要であることが説明された。「絶えず祈りなさい(Ⅰテサロニケ5・17)」と書かれてあるように、絶えず祈ることがリーダーにとって重要であるものの、ただ祈るだけではなく、肝心な時だからこそ、何をどのように祈るかが大切になってくるという。リーダーはそのような大きな転機をもたらす「時」を逃さずに見分け、神を求め、神を見出し、人生とリーダーシップに大きな突破口をもたらすように祈ることで問題を解決していく必要があるという。ただ人間的な目的を単に求める祈りではなく、主の御心と目的を求める祈りを行うこと、また個々の祈りにおいても、人生における大事な岐路を見極め、賢く祈ること、個人的な必要や現状のために祈るだけではなく、自分個人の関心を超えて、最終目標を見失わずに祈ることの重要性が確認された。
また「外部の人に対して賢明にふるまい、機会を十分に生かして用いなさい。あなたがたのことばが、いつも親切で、塩味のきいたものであるようにしなさい(コロサイ4:5-6)」という御言葉にあるように、それぞれ神の御国のために、神によってユニークに造られた個性ある存在として影響を与えていくためのクリスチャンリーダーのあり方について、リーダーのスタイルを「支配型」「交渉型」「説得型」「模範型」「権限委譲型」の体型に分け、それぞれのスタイルの特徴や注意すべきことについて説明がなされた。リーダーとして人を従わせる人物は、まずはその人のことを「親身に気にかけてくれるからこそ相手が従う」ということを前提に考えることや、人々に合わせてリーダーのスタイルを変えつつ、原則は変えないクリスチャンリーダーのあり方、さまざまな型のリーダーと共に神の栄光を表すために働くポイントについても説明がなされた。
~「巨人」を倒すリーダーへ~
真のリーダーとして他の人々を導いていくためには、「巨人を倒すリーダー」となる必要があることが、第一サムエル記17章のダビデとペリシテ人の巨人の戦いの聖句から説明された。
「巨人」とは、肉的な巨人だけではなく霊的な巨人、自分自身の中に潜む「巨人」というものが存在しているという。危機が来た時に、危機が私たちを狂わせるのが問題なのではなく、危機によって私たちの内側が表れてしまうため、逆境や試練によって、リーダーの内側が暴かれてしまう問題があることが指摘された。
その上で「巨人」を倒すことは、神がその人を通してより大きな働きを整えるために、用いる手段であり、たとえその「巨人」が良い評判を得ていて、しつこく立ち向かい、心理的にいつも攻撃し、味方の誰もが恐れ、誰もその「巨人」に向き合おうとせず、さらに自分たちのリーダーさえもがその相手を恐れているような状況にあっても、圧倒されずに「巨人」を倒すために、ダビデの信仰にあるように、「神を熱心に崇めること」「神からの報いを望むこと」「神が勝利する力を与えて下さると確信すること」が必要であることが説明された。
イクイップ・チームでは、毎日世界中で新しい人がキリストを信じるようになる中にあって、健康的で、力強く、霊的な指導者の育成が現在において差し迫って必要とされているとし、未だかつて想像しなかったほどのキリストにあるリーダーシップのうねりを世界中に起こしていくビジョンを掲げている。次回イクイップ・ジャパンカンファレンスは10月12日開催予定であるという。詳細はイクイップ・ジャパンホームページまで。