第117代コプト正教会教皇のシェヌーダ3世が先月死去下のを受け、これまでエルサレムへの巡礼が禁止されていた数千人ものエジプトコプト教徒らが復活祭に聖地エルサレムにある聖墳墓教会へ出掛けた。8日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
エルサレムにある聖墳墓教会は、中東地域の教会行政の中心としても機能しており、同教会中央のドームにはイエス・キリストが埋葬され3日後に復活した「石墓」が存在している。同教会はカトリック、東方正教会、アルメニア使徒教会、コプト正教会、シリア正教会など複数の教派が共同で管理しており、それぞれの教派のミサなどが一日中行われている。
しかしながら、聖墳墓教会内の聖ヘレナチャペルは、エジプトコプト教徒の立ち入りを禁止したという。エジプト国営放送が報じた。同チャペル司祭は「エジプトのコプト教徒の方々が断食祈祷などでここに立ち入ることを許可しません。コプト教徒の皆さま方は遺憾に感じるでしょうが、故シェヌーダ3世の禁止令はまだ有効であり、同命令に敬意を払っています」と述べている。
先月17日に死去したシェヌーダ3世は1970年代後半にイスラエルのエルサレム占拠に対するパレスチナ人との和解と一致を目指す政策の一環として、同教会へのコプト教徒の巡礼を禁止していた。シェヌーダ3世死去を受け、エジプトの航空会社エアシナイがコプト教徒がエルサレムに向かう新たな国際便のサービス提供を聖金曜日の6日に開始した。
カイロ国際空港からエルサレムまで100人以上が搭乗可能な国際便二便が同日運行され、カイロからエルサレムへとコプト教徒らを送り出した。これに対しコプト正教会は「シェヌーダ3世の禁止令は現在も有効である」と伝えている。
8日の復活祭には中東諸国のキリスト教徒がエルサレムに集った。パレスチナのカトリック神父イブラヒム・ショマリ氏は「復活祭は私たちにとってとても重要です。復活の偉大な祝福を待ち望む日です」とAP通信を通じて述べた。復活祭には聖墳墓教会に世界各国から数千人ものキリスト教徒らが集い、その前日土曜日からイエス・キリストの十字架と復活を黙想し、祈祷会が行われた。
イエス・キリストが墓から蘇った場所である同教会は世界各国のキリスト教徒によって慕われている。米ニューヨークからこの日のためにエルサレムに訪れたクリスチャンの旅行者は「この場所の力を一度経験してみなければならないと思い訪れました」と伝えた。復活祭の聖墳墓教会メッセージはローマカトリック教会ラテン・エルサレム総大司教によって伝えられた。
なおグレゴリオ暦を用いる西方教会では8日に復活祭を迎えたものの、復活祭の時期は東西教会で異なっており、ギリシャ正教などユリウス暦を用いる東方教会では15日が復活祭となっており、今週受難節を迎えている。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(216)365日24時間、充実した仕事の中 広田信也
-
世界最高齢者は116歳、サッカー好きのブラジル人修道女 長生きの秘訣は?
-
花嫁(20)おひなさま 星野ひかり
-
国家を高める正義 穂森幸一
-
ミャンマーのカトリック教会、大聖堂指定から2週間たたずに空爆直撃 使用不可能に
-
ウクライナ侵攻3年、欧州福音同盟が声明 現状「嘆く」が「希望」持ち続ける
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
マイナスをプラスに変える力 菅野直基
-
ワールドミッションレポート(2月23日):ポーランド 険しい地を平らに(1)
-
若者の77%がイエスについて知りたいと思っている 米世論調査
-
「今、私はクリスチャンです」 ウィキペディア共同創設者がキリスト教に回心
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
若者の77%がイエスについて知りたいと思っている 米世論調査
-
国内最高齢の女性映画監督、山田火砂子さん死去 日本人キリスト者の半生描いた作品多数
-
山梨英和大学、パワハラで学長ら2人を「降任」の懲戒処分
-
世界最高齢者は116歳、サッカー好きのブラジル人修道女 長生きの秘訣は?
-
ミャンマーのカトリック教会、大聖堂指定から2週間たたずに空爆直撃 使用不可能に
-
トランプ米大統領、「反キリスト教的偏見」根絶を目指すタスクフォースなど創設
-
花嫁(20)おひなさま 星野ひかり
-
保育の再発見(27)この30年をどう過ごしてきたか
-
「今、私はクリスチャンです」 ウィキペディア共同創設者がキリスト教に回心
-
「こんな悲惨なミャンマーを見たことはない」 政変から4年、ヤンゴン大司教が来日会見
-
国内最高齢の女性映画監督、山田火砂子さん死去 日本人キリスト者の半生描いた作品多数
-
トランプ米大統領、「反キリスト教的偏見」根絶を目指すタスクフォースなど創設
-
後藤健二さん没後10年、追悼イベントで長女が映像メッセージ 「誇りに思っている」
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(1)「苦しみ」の原因 三谷和司
-
説教でトランプ米大統領に不法移民らへの「慈悲」求めた聖公会主教、説教の意図語る
-
山梨英和大学、パワハラで学長ら2人を「降任」の懲戒処分
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
「新たなケア」と「限界意識のスピリチュアリティー」 宗教学者の島薗進氏が講演