エジプトのキリスト教多数派であるコプト正教会の教皇シェヌーダ3世が17日、死去したことを受け、世界教会協議会(WCC)総幹事のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト博士は18日、追悼文を発表した。
シェヌーダ教皇は、1971年から中東教会協議会(WECC)の代表としても指導的役割を担い、数十年間にわたってエキュメニカル運動のために奉仕してきた。諸教会の一致のため、コプト正教会からキリスト教の一致の重要性を伝える著名な言論者としても知られてきた。
トゥヴェイト博士は、「シェヌーダ教皇は、キリストに仕える者として最もふさわしい謙遜さを示してこられました。人々と共におられ、エジプトのキリスト教徒だけでなく、イスラム教徒、エジプト国民すべてにとって霊的な父としての模範的役割を果たされました」と述べた。
また中東社会へ果たした役割について、「政治問題について、正義と平和を信仰に基づいて見解を示されてこられました。すべての社会的差別に反対し、すべての人々が平和的に共存する道を継続的に呼びかけてこられました。キリスト教徒とイスラム教徒の協働を推進され、異宗教間対話でも数々のイニシアチブを立ち上げられることで、エジプト国民の一致に貢献されました。また詩人、哲学者としてシェヌーダ教皇は神を人々のより近くにもたらし、祈りを通して人々と全能の神の間を近づける働きをなされました。貧しい人、病める人、その他すべての助けを必要とする人々と共に歩んでこられました。また教会における若者のなす役割の重要性を理解し、エジプトのユース宣教、社会教育に焦点を当てた活動、および民主主義と自由をもたらすために、信仰に基づいた活動もされてこられました」と述べた。
シェヌーダ教皇は、多くの劇的な動きが生じている中東のキリスト教徒と共に歩み、中東域に宗派間紛争を免れるための多くの知恵をもたらしてきたことにも感謝の意を表した。
シェヌーダ教皇がエジプト国家に果たした役割についてトゥヴェイト博士は、「エジプト国民すべての権利と責任を強調し、『エジプトは私たちがただ住んでいる国ではなく、私たちの中に生きている国です』と語られました」と称賛し、「WCCはエジプトコプト教会およびエジプト国民の嘆きのために共に祈り、支援していきたいと思います。『もし一つの部分が苦しめば、すべての部分がともに苦しみ(Ⅰコリント12:26)』とあるように、皆さんの痛みは私たちの痛みでもあります。シェヌーダ教皇の言葉と証し、その生によってエジプト、中東域のキリスト者の信仰が強められますように、教皇の魂が天の御国で安らかに休まれますようにお祈りいたします」と追悼の意を表した。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(237)聖霊による傾聴活動は日本社会を覚醒する(後編) 広田信也
-
ワールドミッションレポート(12月14日):ガザ 憎しみの英才教育―ハマス創設者の娘が語る真実(1)
-
希望に生きる 佐々木満男
-
コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(17)「制御不能な突然の出来事」 臼田宣弘
-
ワールドミッションレポート(12月8日):ウクライナ 砲火のとどろく中で、福音は止まらない(3)
-
ワールドミッションレポート(12月9日):ウクライナ 砲火のとどろく中で、福音は止まらない(4)
-
ワールドミッションレポート(12月11日):ウズベキスタン シルクロードの青き都に注がれる命の水
-
ワールドミッションレポート(12月12日):タイ 人知を越えたキリストの平安
-
ワールドミッションレポート(12月13日):タンザニアのマンダ族のために祈ろう
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも
-
【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
旧統一協会の田中富広会長、道義的責任など理由に辞任 「謝罪の意を込めおわび」
-
南・東南アジア各国で洪水・土砂崩れ、1700以上人が死亡 キリスト教団体が緊急支援
-
京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から
-
サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(34)教会も、町も生まれ変わる
-
希望に生きる 佐々木満男
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも
-
英国で「路傍伝道者憲章」 相次ぐ街頭説教中の逮捕受け
-
京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から
-
ニカイア公会議1700周年を記念、開催の地で一致求め祈る 教皇や全地総主教らが参加
-
【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』
-
東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏

















