4日現在クラッシュを通して1644名のボランティアが被災地に派遣されており、今後も遠野市、一関市、仙台市、日立市、那須町の5つのベースを継続させていくことで、各ベースにボランティアを送り続けて行く方針であるという。
被災地へボランティアに赴く際に、今後の支援では「心のケア」という精神的な支援、希望を失った被災者らに「十字架にある希望」を伝えることがますます大切になってくるという。そのため、今後3カ月の間にすべてのスタッフ、ボランティアが「心のケア」トレーニングを受けるように計画し、クラッシュとしての支援はボランティアを通して行う「心のケア」のみに焦点を当てていき、「心のケア」はクラッシュ、クラッシュは「心のケア」という認識を強めていく方針であるという。
また被災地ではクラッシュはあくまで後ろにまわって支援を行う立場として、地元の教会や団体がプログラムを企画、運営し、主催していくことを助けていくことができるように、被災者ケア基金、コミュニティケア基金、芸術、スポーツケア基金、メディア基金、牧会者ケア基金、子供の心ケア基金の6つの基金を設立して資金集めを行って行く予定であるという。
地域の教会やボランティア団体が健全に働くことができるために、クラッシュが生命線としてのボランティアを派遣し、被災者の心のケアに焦点を当てた活動を行い、5つの各ベースには毎週最低1チームを派遣し、現地主導の働きを支援していく方針であるという。
震災から6カ月が経過し、物資による支援よりも、被災者らが最愛の家族を失い自分だけ生き残ったことや、これからの生活に希望が持てないなど心の傷をキリストにある希望と愛を伝えることで回復させていくことができる「キリストの心」をもったクリスチャンボランティアの活躍がますます求められている。「心のケア」の活動では、まずは被災者それぞれが抱えているストーリーに耳を傾け、話を良く聞いてあげることで、短い時間の中で人々が「理解されている」、「気にかけられている」と感じることを助け、被災者の必要に応えていき、被災者との対話を通じて、被災者がクリスチャンの愛に触れ、感情的・霊的必要に対する回答を見つける手助けとなれることが目指されている。
クラッシュジャパンのリーダー会議では、ある宣教師が「今が第二次世界大戦後にマッカーサーが宣教師を日本に派遣した時代以来、日本の人たちに福音を届ける最も重要
な時期を迎えているといえるかもしれない」と述べたという。しかし戦後と異なる大きな点は、クラッシュに派遣された宣教師はあくまで後ろ手にまわり、既存の日本の地域教会がより前進して宣教に励んでいくことを、地域教会と提携することで助けて行く立場として存在する点にあるという。
クラッシュで支援を行っているスタッフたちは、地域の諸教会が立ち上がり、日本の社会を祝福する器として用いられていく教会として成長していけることを願って活動を行っている。クラッシュの最終的な目的は、被災者らが再び立ち上がり、クラッシュによる支援がなくなった後の被災地で平和が戻されるようになることにある。そのために地域諸教会が被災地で力強く成長していくことが願われている。
クラッシュが今秋から展開しているモバイルカフェミニストリーでは、小さなトラックを改造してテント、テーブルと椅子を積んで仮設住宅を回り、その場でお茶を提供し、被災者との交流を行っている。被災者がコーヒーやお茶を楽しんだ後に、聖書、絵本およびクリスチャンの証しの書かれた本などを持って帰ってもらうことで、被災者たちが神様を知ることができる良い伝道の場として機能している。報告書によると、実際モバイルカフェを通して、被災者らと交わりを行うことで「あなたがたがただコーヒーやお茶を私たちに提供するために来られているわけではないことを知っています。私は神様のことを学んだことのない普通の人にすぎません。ぜひ単刀直入に神様のことについて教えてください」と被災者から聞かれることも生じているという。
クラッシュでは今後も献金、祈り、そして被災地・本部でのボランティアを通した支援を求めている。クラッシュの一般社団法人としての成長に伴い、クラッシュが求めるボランティアの分野も多岐にわたっている。またクラッシュを通したキリストの希望が被災者らに伝わるために毎日午後1時に一分間の定時祈祷を捧げることが求められている。報告書によると、クラッシュへの献金は3月に約7,700万円、4月に約1億1,200万円の最高額に達した後、減少を示しており、7月、8月は献金額よりも支出額が上回った状況となっている。これまでの一カ月の支援予算は2600万円としていたが、今後6カ月の期間においては、より長期的なベースキャンプでの支援活動を可能にするために月1900万円の予算に減額して支援を行って行く方針であるという。
クラッシュジャパンでのボランティア、献金、祈りの詳細はホームページ(http://www.crashjapan.com/)まで