被爆地・広島は6日、58回目の原爆忌を迎えた。広島市中区の平和記念公園では、平和記念式典(原爆死没者慰霊式、平和祈念式)が行われ、被爆者や遺族、海外からの参列者約4万人が集った。近年の世界的社会不安が耐えない中、今年のヒロシマは核廃絶を訴える声も高まった。小泉首相も改めて非核3原則の堅持に言及するなどし、日本国内にも広がる一連の核問題に対する緊張の高まりが感じられた。
午前8時に始まった式典では、秋葉忠利・広島市長は平和宣言の中で、最近の戦争を容認する言動が各国に見られることを危惧し、核廃絶と戦争のない世界にむけて解決に乗り出すことが急務だと語った。イラク戦争でのアメリカの動向に関して遺憾を述べた同市長は、「核兵器は神」であるとする米国の対外政策に大きな誤りがあると発言。米・ブッシュ大統領、金正日総書記は「核保有国のリーダー」であるとした。
式典の中で秋葉市長と遺族らは、この一年に亡くなったり死亡が確認されたりした5050人の名簿2冊を原爆慰霊碑に納めた。これで原爆死没者名簿には合わせて23万1920人の名が記されたことになる。原爆が投下された午前8時15分、遺族によって平和の鐘が響き渡り、参列者一同は1分間の黙とうをささげた。また市内の子どもら4人が「平和への誓い」を朗読し、「核兵器の恐ろしさを世界に訴え続けます」と述べた。