イタリアで日本人として初の宣教師認定を受けたミラノ宣教師、内村伸之・まり子夫妻の宣教活動報告会「ミラノ宣教の夕べ」が9日、シオンの群中野キリスト教会(東京・中野区)で行われた。午後2時からはチェンバロ奏者でもある妻まり子さんの演奏会、午後4時からは、ミラノ宣教の報告会が開かれた。
内村伸之さんのミラノ宣教は00年夏、当時日本でピアノの先生をしていた妻まり子さんが3年間のミラノ留学に出発したことから始まる。
当時伸之さんは、かねてから希望していた母校の都立芸術高校で美術教師として赴任し、主任を務めていた。休暇を利用しては、まり子さんに会いに度々ミラノを訪れた。主日には、韓国人ミラノ賛美教会の礼拝に2人で参加していた。
01年の夏、ミラノ賛美教会のイムユンサン牧師から突然、「私は日本人の宣教を支援するよう、主からビジョンを与えられた。日本人の群れを導く者として、仕事をやめてあなたがミラノへ来て下さい」と呼び止められた。
伸之さんは驚き、その唐突さに少し呆れた。「自分にはそのような働きは無理であり、教師の仕事を辞めることは出来ない」とすぐに思ったという。
しかし、同時に魂が震えるのを感じた伸之さんは、「御心であるのならば、主ご自身が私を招いてください」と祈った。するとその夜、一つの御言葉が与えられた。
「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す土地へ行きなさい」(創世記12:1)
所属教会の牧師とも相談し、その後も主の御心を求めて継続的に祈った。伸之さんは、そこに「神様の愛と聖霊の働きを感じていた」という。
高校の美術科の主任教諭として、仕事には確かな手ごたえとやりがいを感じていた。「決断は、主御自身から明確な召しを頂くまではできない」そんな中、02年の夏に参加した欧州キリスト者の集いで、再び次の御言葉が与えられた。
「わたしはあなたに忠告する。豊かな者となるために、火で精練された金をわたしから買いなさい。また、あなたの裸の恥を現わさないために着る白い衣を買いなさい。また、目が見えるようになるため、目に塗る目薬を買いなさい。わたしは、愛する者をしかったり、懲らしめたりする。だから、熱心になって、悔い改めなさい。見よ。わたしは、戸の外に立ってたたく。だれでも、わたしの声を聞いて戸をあけるなら、わたしは、彼のところにはいって、彼とともに食事をし、彼もわたしとともに食事をする。」(黙示録3:18〜20)
伸之さんには、この御言葉がまるで「イエス・キリストが自分自身に直接書いてくださった手紙を読むかのように」魂に迫ってきたという。いつしか「私は、代価を払って、主から朽ちないものを頂きたい」と、泣きながら祈っていた。
「主よ、どうぞお入りください」心の一番中心の部屋へ主を招いたとき、ミラノ宣教への確信が与えられた。
この集会を主催した「ミラノ宣教支援会」には、シオンの群中野キリスト教会や福音キリスト教会連合・キリスト教朝顔教会をはじめ、多くの教会と信徒有志が参加し、2人の宣教を支援している。
2時からの演奏会にはおよそ90人が、4時からの報告会には40人ほどの支援者らが集った。