使徒パウロの遺骨が安置されていたとされる石棺が発掘された。
英国BBCによると、バチカンの考古学者らがローマ・聖パウロ大聖堂の納骨地下室で約1700年前の石棺を発見した。発掘には3年を要した。発掘された白い石棺の上には「殉教者・使徒パウロ」という文字がラテン語で刻まれているという。パウロはローマなど地中海一帯を旅してイエス・キリストの福音をのべ伝えた。西暦65年にローマ皇帝ネロによって斬首されたとされている。
発掘チームの考古学者、ジョルジオ・フィリピはBBCの取材に対し「石棺の遺骨を公開して(人々に)参拝してもらいたい」と話している。
4世紀にキリスト教を国教と認めた皇帝テオドシウスがパウロの埋葬場所に礼拝堂を建てた際、遺骨は地下室に移された。1823年に教会が火災で焼失し、現在の聖パウロ大聖堂を建設。パウロの墓があった地下室周囲は埋め立てられ、そこに巨大な石の祭壇が置かれた。聖堂の管理者は石棺を一般公開する予定だが、石棺内部は公開しないとした。