インドヒンドゥー教大祭において、キリスト教徒がクリスチャンとなった民衆の再改宗を防ぐ戦略を練っていること、またヒンドゥー教側は地元キリスト教信者をヒンドゥー教に再改宗させることを目論んでいることの双方が明らかになった。
ワシントンD.C.に拠点を置く人権および宗教解放組織インターナショナル・クリスチャン・コンサーン(ICC)は、最近インド最西部グジャラート州ダン地区において行われているヒンドゥー教大祭の情報を入手した。その情報によると、2月初旬から非改宗のポスターを掲げた大きな運動がその他の大祭イベントに伴って発生しているという。ICCによると、今回のヒンドゥー教大祭において、過激派ヒンドゥー教グループおよびインドボランティア団体(Rashtriya Swayamsevak Sangh)らが"The New Vision for India"と題して少なくとも20枚以上の非改宗ポスターを展示した。
これらのポスターはインドキリスト教宣教団体による新聞記事と北インドにおけるテロ組織と教会の関係を強調しているという。
ポスターには「インド北部の教会後援のテロ組織」、「テロリズムがキリスト教の真実の姿である」、「宣教師による福音教育は危険」、「キリスト教改宗はヒンドゥー教に対する隠れた戦争を意味する」などと書かれていたという。
世界中のキリスト教徒はこのヒンドゥー教大祭に数十万人もの人々が参加することから、キリスト教徒に対する暴動が起こるのではないかと恐れていた。1998年、数千人ものヒンドゥー教徒がアンチキリスト教をスローガンに掲げてキリスト教礼拝所やその他キリスト教徒およびイスラム教徒によって所有されている建物を襲撃した。
前回の大祭は平和に終了したが、そのときにもキリスト教徒による絶え間ない祈りが続いていたという。
直接的な暴力行為は発生しなかったが、教会に通う信徒らは、キリスト教に改宗することを非難し、ヒンドゥー教に再改宗することを勧める演説や運動に直面することになり、今回も教会関係者の間で懸念が高まっている。
インド独立運動主導者マハトマ・ガンジーの言葉を引用したポスターでは、「もし私に法を規制する権限があるとすれば、私は改宗を撤廃する。私は社会奉仕のために訪れる外国人のみ歓迎する。宣教師や、彼らの文化によってヒンドゥー教家族の生活スタイルが変えられたことは真実である。改宗は暴力の別の名前である。」と書かれていたという。
ICCによる報告書によると、この地方部族定住地域におけるヒンドゥー教大祭はキリスト教に改宗した地元部族をヒンドゥー教に再改宗させ、キリスト教の陰謀に気づかせることを目的とされていたという。
ヒンドゥー教過激派による暴力行為に対する恐怖、ヒンドゥー教再改宗に関する懸念から、インドの先駆的キリスト教組織"Hopegivers International"は10日間の祈祷運動を開催した。同組織会長のサミュエル・トーマス博士によってこの祈祷週間が世界的に呼びかけられたという。世界中のキリスト教信者らに、インドの平和、宗教解放のための祈りへ参加するよう呼びかけているという。