先週預言者ムハンマドを風刺した漫画の発刊を受けて行われた立て続きに発生する暴力デモにおいて、今週水曜日の時点でナイジェリアの暴力デモにおける死者が96名に達したという。
AP通信によると現地住民の一人は「私は今日一日だけで20人以上の死者を数えました。」と述べたという。
水曜日には主にキリスト教徒が大多数を占めるナイジェリア南部の都市において散弾銃など武器を携帯した暴力集団が暴動を起こしたという(AP通信)。
目撃者の住民は「主要な街路では死者の遺体が散乱しており、その大部分が北から来た人たちのものです。」と述べたという。
ナイジェリアはアフリカで最も人口密度の高い国で、1億3000万人以上が住んでおり、大きくイスラム教社会が形成されている北ナイジェリアと、キリスト教徒が大多数である南ナイジェリアに分けることができる。2000年以来、キリスト教とイスラム教の宗教間の摩擦によって数千人もの人々が死亡した。しかしながら、現地問題専門家は以前生じていたナイジェリアにおけるイスラム−キリスト教摩擦は宗教がらみの民族、経済、政治的摩擦と密接なつながりがあったと指摘している。
先週土曜日のイスラム風刺漫画における暴動が生じて以来、死者数は少なくとも96名を超えるに至った。
ナイジェリア北部のイスラム教が大多数を占める都市Maiduguriでは、激怒したイスラム教徒が30件の教会を焼き払って18名の命を奪った。その18名の大部分はキリスト教徒であった。今週月曜、火曜日にも同じような暴力デモがナイジェリア北部都市Bauchiで発生し、イスラム教徒が現地のキリスト教徒を攻撃。25名が死亡した。
火曜日に出されたナイジェリアキリスト協会会長のナイジェリア大司教ピーター・アキノラ牧師は声明文で、「今回の風刺漫画騒動はデンマークというナイジェリアからはるか離れた国で生じた事件であり、ナイジェリアのキリスト教徒に対する暴力活動が顕在化するべき理由はどこにもない。このようにキリスト教教会の破壊まで招く暴動に至ったことは実に不幸なことだ。私たちは今現在長い間助ける手立てもなく発狂したイスラム教原理主義者によってクリスチャンが殺傷されていくのを目撃してきました。」と事態の深刻さを強く訴えた。
火曜日に南部都市Onisthaでも暴力活動が生じ、今度はキリスト教武装軍団が2件のモスクを焼き払い、少なくとも30名以上が死亡した。その大部分がナイジェリア北部のイスラム教徒であるという。これを受けて北部出身の数千人ものイスラム教徒が軍部兵舎に逃げ込んだという。