人権ウォッチ(HRW)は18日水曜日に昨年11月に生じた事件を参考に68カ国における人権情報を含む報告書を発表した。532ページに及ぶ2006年ワールド・レポートがニューヨークに本拠地を置く人権団体の150人以上におよぶスタッフの協力で発行された。
この報告書の導入部ではHRW事務局長ケネス・ロス氏によって「拷問と非人道的扱いは有事であってもそれ以外の時であっても、また地方警察署でも軍事的脅威に直面したときであっても無条件的に禁止されなければならない。2005年では未だに世界の何カ国かの国々で国の政策強行手段としてさまざまな方法で拷問を考慮に入れている。」と記されていた。
2006年報告書で示された人権を憂慮すべき国々の何カ国かの報告書を以下に挙げると、
ミャンマー
ミャンマー軍部が村々を襲い、そこに住む人々を根こそぎ退けさせて何十万人もの人々を強制移動させている。あらゆる民族団体が自治と自由を求めて軍事政府と残忍で長引く戦いを繰り広げている。
中国
一政党国家で国民選挙がなく、独立した司法が存在しない。死刑執行を推進し、インターネットを厳しく検閲する。また自主労働組合の結成を禁止し、チベット、ウイグル、モンゴル民族などの少数民族を抑圧する。
また登録されていない家族教会の教会員に対し、警察による襲撃、逮捕、拷問が行われたという多くの報告を有する。
キューバ
すべての国策に反対する団体を抑圧し、政府は刑事訴追や短長期の抑留、警察による警告、襲撃、監視、旅行規制、政治的意図に基づいた労働者の解雇などの手段を用いて政治的な画一性を強制する。その結果キューバは組織的に表現の自由、結社の自由、プラバシー権、行動権、正当な法手続きを受ける権利を否定していることになる。
エリトリア
エリトリア政府の専制政治は2005年より冷酷になり、政府の見解に反する思想集団や、非登録の宗教団体に属する何千人もの国民を政府政策を十分に支持していないなどの理由から逮捕されている。また受刑者はたびたび地下独房、コンテナ、あるいは囚人であふれかえった狭い牢獄などを含む機密監獄に投獄される。また精神的肉体的虐待の多くの報告がある。
エリトリア正統派、ローマカトリック、エリトリア福音教会、スンニ派イスラム教以外のすべての宗教宗派を2002年5月に禁止するという宗教的迫害が生じている。政府によって認められていない宗教は逮捕、虐待拷問を含む厳しい迫害に苦しんでいる。
イラン
2005年度は基本的人権、特に思想や表現の自由が弾圧された。政府は定常的に拘置所における拷問や虐待を行い、長期独房監禁も行っている。民兵組織が平和運動家を襲撃し、諜報機関が非合法的機密監獄や尋問所を管理している。
北朝鮮
北朝鮮は世界で最も抑圧的な政権を有する。この国では専制的な逮捕、拷問の蔓延、また正当な法手続き、公正な裁判が受けられず、深刻な懸念が残る。また信仰の自由、情報の自由がない。
パキスタン
女性や宗教的少数派に対して法の下で差別をしており、宗派間の暴動が生じており、政府に反対する思想団体を専制的に拘束する。
トルクメニスタン
世界で最も閉鎖された抑圧的な国の一つである。国際的な批判を受け入れる準備が徐々に進みつつあるが、政府による強制的な政策が継続されている。雇用に際しての民族少数派に対する差別、強制解雇、自由を求める運動の規制、外国文化や芸術、インターネット、海外メディアへのアクセスの制限などが主な圧制の例である。
ヴェトナム
政府当局が独立教会の教会員を迫害し、インターネットや新聞を管理し、公の集会を規制し、宗教あるいは公の集会のために人が投獄される。
(人権ウォッチhttp://www.hrw.org より)