日本の迅速な福音化を主題としたOMF戦略セミナーが4日、韓国ソウルのサラン教会で開催され、日本宣教に関心を持つ人たちを中心に約200人が参加した。
「日本を知ろう」というテーマで開かれた本セミナーは、4日と5日の2日間にわたって行われ、講師として、日本で25年間宣教をしたドイツ人宣教師夫妻、ウォルフガング・ラングハンス(Wolfgang Langhans)氏とドロティア(Dorothea Langhans)氏、韓国OMFから派遣されたイ・スグ(Lee Sugu)宣教師を迎えた。
ウォルフガング氏は初日、日本宣教の歴史とその限界について話した。同氏は、まだ北部ヨーロッパに福音が伝えられる以前の、イエス・キリストの誕生200年後には、すでに宣教が日本にまで伝えられていた形跡があったと述べ、その後どうなったかは判明していない、と悲しげな表情で話した。
その後、1400年が経過し、カトリックの宣教師、ザビエルが日本に到着した。2年間は多くの信者が生まれ、日本にキリスト教信仰が根付くかのように見えた。
しかし不幸にも、後からやってきた他教派の宣教師との間に論争が生じた。さらに、キリスト教の中にさまざまな土着宗教や仏教の教えが混じると、キリスト教は衰退の道を歩くようになった、と説明した。
当時、日本の支配者層によるキリスト教排斥のため、多くの殉教者たちが生じた。その後、日本は250年間の鎖国時代に突入、キリスト教を含め西欧に対して門戸を完全に閉ざした。ウォルフガング氏は、その頃にも秘密の地下教会が存在していた可能性はあるが、有能な指導者の不在で教会はますます衰退していったと思われると説明した。
1859年には宣教の門が再び開かれるようになったものの、宣教師たちの伝道は難航した。やがて第2次世界大戦が勃発。戦後になると、宣教ブームが再燃した。当時、敗戦した日本は希望を失っており、人々は貧しい心で福音を受け入れた。
だが、そのまま広がると思われた宣教の熱情もそう長くは続かず、クリスチャンの足取りは重くなった。このときから日本社会には物質主義が蔓延し、人々の心は福音から離れていくようになった。
ここ最近になっても、日本は1億2千万人の人口に対してクリスチャンが1%にも満たないという宣教後進国の汚名を挽回することが出来ないでいる。
ウォルフガング氏は日本宣教の障害になっている事柄について説明し、物質主義の弊害による青少年問題、高齢化、引きこもり、集団自殺、家庭問題など現代の日本社会が抱える代表的な社会問題を列挙して、参席者たちに衝撃を与えた。
ドロティア宣教師は「女性から見た日本」をテーマに講演した。ドロティアさんは24年間日本で多くの女性たちと交流してきた経験を語り、多くの日本人女性が夢を失って苦しむ姿を見てきたと話した。特に、30代既婚女性の55%が夫婦間にほとんど会話がないことを示す資料を提示し、日本女性たちの結婚生活での苦痛は頂点に達して久しいと話した。
また、日本では妊娠中絶が社会的に許容されているが、当事者である女性には罪悪感が残り、結局、情緒的な苦痛に苦しむことになると話した。ドロティア氏は「日本女性たちは、自分たちがキリストにどれほど愛されているのかを知るとき、平安を得る」と述べ、「キリストを信じることで心の傷が回復し、子供と主人に対する愛と暮らし方が分かるようになる」と強調した。
札幌国際教会の担任牧師、イ・スグ(lee sugu)宣教師は「国際宣教団体との協力を通した日本宣教」をテーマに講演し、「国際宣教団体と協力していけば、その団体の宣教史から多くを学び、ノウハウを蓄積することができる」と話し、宣教には他団体との協力が必要と主張した。(ChristianToday.co.kr)