今週米バルナレポートが発表した調査結果によると、次期大統領選において米共和党からの大統領候補者として、福音主義キリスト教徒は前アーカンソー州知事でFOX
ニューストーク番組ホストに転身したマイク・ハッカビー氏を最も支持していることが示された。同氏は福音派で南部バプテストに所属している。
ハッカビー氏の次に福音主義キリスト教徒が支持しているのが元アラスカ州知事のサラ・ペイリン氏で調査結果によると、79%の福音主義キリスト教徒が支持しているこ
とがわかった。ペイリン氏もキリスト教福音派に属する熱心なキリスト教徒であるが、米国民一般からは外交経験についての浅さが懸念されてきた。
他にも元下院議長のニュート・ギングリッチ氏(支持率57%)、元マサチューセッツ州知事のミット・ロムニー氏(同56%)、テキサス州議員のロン・ポール氏(同51%)が大統領候補有力者として挙げられた。
ギングリッチ氏は保守派の政治家で2009年にバプテスト教徒からカトリックに改宗している。1995年に42年にわたる民主党の下院多数派独占に終止符を打ったことでTIME誌のマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。ミット・ロムニー氏の家庭はモルモン教徒であるが、政教分離を主張している。ロン・ポール氏は共和党議員のバプテスト教徒で小さな政府を主張している。学校内で自主的または非公式の礼拝を認める憲法改正を支持している。
福音主義キリスト教徒らによる支持率は知名度や米国民一般に対する受け入れられ具合によって大きく異なっていることが示された。知名度においてはペイリン氏がトップで、続いてギングリッチ氏、ハッカビー氏、ロムニー氏、ポール氏と続いた。
一方でペイリン氏は米国民一般に対する受け入れられ具合に関してはネガティブなイメージがあることも示された。調査結果によると米国民の中でペイリン氏を支持する人の割合は36%である一方、彼女に対する好ましくないイメージを持つ人の割合は61%となった。一方44%の一般米国人はハッカビー氏に好感を抱いており、36%が同氏に対する好ましくないイメージを抱いていることが示された。ロムニー氏に関してはハッカビー氏と似たような割合が示され、好感を持っている人が40%に対し、好ましくないイメージを持っている人が39%となった。ギングリッチ氏は好感を持っている人が32%である一方、好ましくないイメージを持っている人が55%となった。
好ましくないイメージを持つ人の割合が高いものの、ペイリン氏は共和党内では高い評価を得ており、共和党内の福音主義キリスト教徒の間では69パーセントが彼女を支持しており、彼女に対して好ましくないイメージを持つ人の割合は30パーセントにとどまった。ハッカビー氏の共和党内での同割合は、支持者が68%、不支持者が23パーセント、ロムニー氏は支持者69パーセント、不支持者22パーセント、ギングリッチ氏は支持者62パーセント、不支持者32パーセント、ポール氏は支持者52パーセント、不支持者27%となった。
ノンクリスチャンの間では、オバマ米大統領が最も好感を得ており、支持者61パーセント、不支持者38パーセントとなった。
一方共和党所属の大統領候補者はそれぞれノンクリスチャンの間での好感度は低くとどまり、ロム二ー氏が支持者35パーセント、不支持者54パーセント、ポール氏が支
持者31パーセント、不支持者53パーセント、ハッカビー氏が支持者30パーセント、不支持者59パーセント、ギンリッチ氏が支持者20パーセント、不支持者67パーセント、ペイリン氏に至っては支持者17パーセントに対し不支持者が80パーセントとなった。2010年度米大統領選挙での共和党内最有力候補者は今のところ決まっていない。
調査結果は、OmniPollによる全米1,021人の成人米国民を無作為抽出し、電話インタビューを行った結果によるものである。インタビューは2011年2月10日から18日の間に行われた。