5日、エジプト首都カイロ南部の村で生じたイスラム教とキリスト教の衝突で2人の死者が生じ、一件の教会が焼き払われた。
カイロ南部の村でコプト教徒の男性とイスラム教徒の女性が恋愛関係に陥っていることが発見されたことをきっかけに、イスラム教徒の反発が生じた。
イスラム教徒の女性の父親は4日、いとこによって殺害された。アッシリア国際通信(AINA)によると、殺害理由は父親が家族の名誉を保つために、異宗教の男性と恋愛関係に陥った娘を殺さなかったためであるという。
そのイスラム教徒の女性の兄弟は5日、その後父親を殺したいとこを復讐のために殺害した。さらにイスラム教の暴徒が同地域にある教会2件を襲撃し、放火した。
5日、治安当局はこの事件により少なくとも2人が死亡し、教会が放火されたことを確認した。ムバラク大統領が追放された後、エジプト軍が同地域の治安を維持している。
エジプトでは社会的にキリスト教徒の男性とイスラム教徒の女性が恋愛関係に陥ることは許されていない。キリスト教徒の男性がイスラム教徒の女性と結婚するには、イスラム教に改宗する必要がある。
昨年11月にも若いコプト教徒の青年とイスラム教徒の少女がエジプト南部の街で恋愛関係に陥っているという噂が広がり、イスラム教徒が少なくとも10件のキリスト教徒の家屋を放火するという事件が生じるに至った。
イスラム教徒による教会放火で、教会の聖職者や執事たちがどうなったかは定かではない。AINAによると携帯電話で連絡を取れる人が存在せず、現在行方不明であるという。教会の放火にともない死亡した可能性もあると見られている。
今回の事件のきっかけとなったコプト教徒の男性は、男性の家族とイスラム教徒の女性の家族、およびイスラム教年配者らとの話し合いの結果、同村を去るように命じられたという。