【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)キリスト教一致推進評議会が設立50周年を迎えたが、議長のクルト・コッホ枢機卿が11月15日、総会の席上、エキュメニズム(教会一致)の当初の目標を放棄している、とプロテスタントを非難した。
諸教派の間で聖餐式(聖体拝領)共有に関し、相対論的な教会論に屈しており、本質的な一致という本来のエキュメニズムから逸脱したとして、枢機卿は「そのことは、多元的相対論的傾向によって特徴付けられるポストモダンの考え方に決定的に見られる。それはイエス・キリストの教会の目に見える一致を求めることへの大きな挑戦だ」と言う。枢機卿は、この考え方がプロテスタントだけでなく、『多くのカトリック者』の間でも見られる、と語った。
コッホ枢機卿は、エキュメニズムの現在の危機が、カトリックとプロテスタントが教会の性質を記述する方法作成に『大きく異なるメンタリティー』とでも言うものが存在するからだ、と述べている。「宗教改革から生まれた教会や共同体は、目に見える一致というエキュメニズムの本来の目的を放棄し、諸教会の相互承認という概念にそれを置き替えた」と言う。
枢機卿は、宗教改革による教会が、「教会の断片化という重大な様相」で特徴づけられ、そのため「教会的多元主義」を採用することになった、と指摘している。これはエキュメニズムの目標を、一つの教会への、多様性を受け入れつつも、目に見える一致を再建するというよりも、多くの教会の「和解された多様性」とするもののように見える、と言う。
さまざまな告白教会の中のプロテスタント『多元主義』が、イエス・キリストの真の教会はカトリック教会の中に存在しており、別の言葉で言えば、彼女(教会)はすでに既存の現実であるというカトリックの信念とは対照的だ、と枢機卿は主張する。「プロテスタントの見解と、エキュメニカルの目的が、相互聖餐ではなく、聖体拝領が正当に行なわれる「聖餐」だとするカトリックや正教会の解釈と深遠な違いがあることは明らかである」と言う。