【CJC=東京】米国で、宗教のことについて知りたい時には無神論者に聞くのが良い、という皮肉な結果が出てきた。ワシントンに本拠を置く宗教専門調査団体『プーリサーチセンター』が9月28日に発表した調査結果でわかったもの。アメリカ人は、主要な信仰伝統の信条、実践、歴史、指導者などについて、自ら信じているものを含めて知らない人がほとんどだ、という。
ただキリスト教に関する質問に限って見ると、白人のプロテスタントとモルモン教徒の正解が多い。信教の自由を憲法が保障する、など宗教と公生活の関係については、無神論者、不可知論者やユダヤ教徒が高得点だった。
調査は成人3412人を対象に5月19日から6月6日に行なわれた。
アメリカ人は一般に、聖書の基礎的な知識を持っていることも分かった。とにかくイエスが生まれたのはベツレヘムであることは71%が知っていた。聖書の最初は創世記だ、と正確に知っていた人も63%に上った。
32の質問への全体正解率は50%。無神論者や不可知論者は32問中21近くを正解している。ユダヤ教徒やモルモン教徒も同様だが、プロテスタントは16問、カトリックは15問に留まった。
興味深いのは、プロテスタントの回答者の53%が宗教改革の推進者はマルティン・ルターだと分からなかったこと。
カトリックの45%が、聖体(聖餐式)でのパンとぶどう酒がイエス・キリストの肉と血に変化する、という教義を知らなかった。
その他にも、インドネシア人の大半がイスラム教徒だと正しく言えた人は27%、47%はダライラマが仏教徒と知らなかったり、ビシュヌやシバがヒンズー教に関係のある存在だ、と知っていたのは僅か38%、など宗教知識のレベルがあからさまになった。