・・・ソロモンは神に言った。「・・・今、知恵と知識を私に下さい。・・・」神はソロモンに仰せられた。「・・・あなたが富をも、財宝をも、誉れをも、あなたを憎む者たちのいのちをも求めず、さらに長寿をも求めず、むしろ、私があなたを立てて私の民の王としたその民をさばくことができるようにと、自分のために知恵と知識を求めたので、その知恵と知識とはあなたのものとなった。そのうえ、私はあなたの前の、また後の王たちにもないほどの富と財宝と誉れとをあなたに与えよう。」・・・(第二歴代誌1章7節〜13節)
今日はソロモンの物語を開かせていただきました。ソロモンが王になる直前、彼は夜、幻の中で、あなたが今一番必要だと思うものを私に求めなさい、それを与えてあげよう、という神の声を聞いたのでした。
今から3千年前の出来事ですから、人々は貧困と飢えの中にしばしば陥っていました。医療も進んでいませんし、何よりも戦争に明け暮れた毎日です。イスラエルのような小さな国で、エジプトやメソポタミアなどの大帝国が周囲に存在する中で、国の命運をゆだねられて王となることは、本当に恐ろしいことだったと思います。しかしその中で、知恵と知識を私に下さいとソロモンは神に願ったのでした。その後、ソロモンは小国の王でありながら、その豊かさと繁栄は世界中に知れ渡るところとなります。「知恵を下さい」、この一言の願いが彼の人生に本物の豊かさをもたらしたのです。
今日は、大切な2つのことを心に押さえておきましょう。
1.1番大切なものをしっかりと選び取る
あなたにとって1番大切なものは何ですか。今の時代、良いと思われるものが溢れているために、かえって私たちは幸せを掴みにくくなっていると思います。
ソロモンが願えば、何であっても神はそれを与えて下さったでしょう。でもその中で彼は、はっきりと、私に知恵と知識を下さいと言ったのです。彼はそれを一番大切な、なくてはならないものとして求めました。そしてそれが神の御心にかなったのでした。
あなたが神に受け入れられ喜ばれる大切なものを選び取っていくことが1番重要です。あなたが必要としているものは山ほどあるでしょう。でもその中で、あなたの目がごまかされずに、本当に神が与えてくれる良きものを選び取っていくことを心がけましょう。
2.2番目3番目を正しく位置づけておく
私たちは、クリスチャンとして神に求めるべき1番重要なものを選び取らせていただきたいと願っていながら、どうしてそれができないのでしょう。それは、1番大切なものを選ぼうとしながら、他の良いと思えるものにちゃんと2番目、3番目の順番を付けていないからです。ですから、1番大切なものを選び取っているはずでありながら、他に良いと思うものがムクムクと出てきて、1番が弱くなるのです。
ソロモンが自分のために富や財宝や誉れ、敵や憎む者たちの命や自分の長寿を第1に求めなかったことは、すごいことだと神が念押しをされたのでした。もちろん王ですから、それらは必要です。分かりきっています。それでもソロモンは、あえてそれらを2番3番4番という、1番ではない位置に置くことができていたのです。
仕事のことも家族のことも、自分の命や健康のことも全部大切です。大切だからこそ迷うし、混乱するのです。でもそういう中でまず、クリスチャンだからこそ選び取れる1番大切なものを選ぼうではありませんか。そして、この1番を選ぶときに、私たちの心の中で、2番3番4番にしていいものを意識しておきたいのです。そうすれば私たちの人生の生き方の基本が整えられるのです。
私たちクリスチャンには時間についてもお金についてもその使い方の原則があります。それはまず神を礼拝する時間を持つこと、そしてまず献金をすることです。御言葉にある通り、まず神の国とその義を第一に求めましょう。そうすれば生きることに関わる全てのものは加えて与えられます。訳も分からず、お金のことを第一にしていると罪と欲の奴隷になることを知りたいのです。自分の思いも大切です。でもその前に神に結びつく命こそ大切であると知りましょう。そこに本当の幸せや祝福の鍵があります。
ソロモンはソロモンの言葉で神に一番大切なもの、知恵と知識を求めました。そのことが王としての彼を活かし、大成功に導きました。あなたはどのようなものを神に求めますか。あなたの言葉で、一番大切なものを神の前に求めて祈りましょう。そして、2番手3番手でよいものをはっきりと位置づけておきたいと思います。そんな信仰の思いが、あなたの心の中にきちんとした整理を与えます。
私たちも神の御前に一番大切なものを選んで、これからの春に向かう歩みをきちんと整えてまいりましょう。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。