・・・主の使いが夢に現われて言った。「ダビデの子ヨセフ。恐れないであなたの妻マリヤを迎えなさい。その胎に宿っているものは聖霊によるのです。マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方です。」このすべての出来事は、主が預言者を通して言われた事が成就するためであった。「見よ、処女がみごもっている。そして男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」(訳すと、神は私たちとともにおられる、という意味である。)・・・。(マタイ1章18節から25節)
私たちクリスチャンは、クリスマスの主人公である、主イエス・キリストの恵み、その祝福の真髄をいただいて心から喜ぶ者でありたいと思います。
今日開きました聖書箇所で、神と人とによるクリスマスということを確認したいと思います。それこそが本物のクリスマスです。
1.神とヨセフとマリヤのクリスマス
聖霊の働きによるみごもりを事実として受け止めたのはヨセフとマリヤという一組のカップルでした。イエスは魔法のように突然現れたのではないのです。聖霊なる神が働かれ、その働きのために選ばれた人々がいなければ受け止められなかったのです。
ヨセフはダビデ王の血筋の人物ではありましたが、マリヤとともに特別な資格もなく、貧しく質素な二人でした。しかし、聖霊の働きは、このヨセフとマリヤという男女がいてこそ受け止められたのです。マリヤは聖霊によってイエスをみごもり、そのマリヤを守る夫としてのヨセフの働きも必要でした。ここには大きな意味があります。
神は確かに働かれます。しかし神の働きは、ごく平凡で何も誇るところのないように思えた二人がいなければ事実にはなりませんでした。神と人とのクリスマスです。神が御子イエス・キリストの命をこの世に送ろうとされたとき、聖霊の力は確かに働いたのです。しかし、聖霊の力は単なる霊的現象を起こすのではなくて、神に選ばれた者たちによってしっかりと受け止められるべきものなのです。
2.キリストの御業の現れ
イエス・キリストの誕生が約束されましたが、このイエス・キリストは、神としての栄光の御姿で現れたのではなく、神によって選ばれた人々の持つ罪を清める、私たちと同じ人の子として現れて下さったのです。イエス・キリストは誕生する前から、その働きが約束されていました。このお方は、命を捨てて人々の罪を贖い、神の御業を実現して下さると、聖書は最初から語っています。
イエス・キリストの御業も罪を赦され選ばれる人々がいてこそ成就するのです。
3.インマヌエルの主
ここには忘れてはならない主題がはっきりと存在します。イエスの別名は、インマヌエル、神が私たちとともにいて下さるという意味です。クリスマスを通してイエス・キリストの誕生が事実となったことは、天地宇宙を創られた偉大な神が、どんなときも私たちと一緒にいて下さることの保証が与えられたということです。
イエス・キリストの誕生の出来事を通して、私たちは聖書が証言している約束を如実に、事実として体験するのです。それは、神が私たちとともにいて下さるという事実です。聖書の語るこの重大な真理に気づいて下さい。御子イエス・キリストの誕生の物語、その全てが明らかに指し示すのは、神が私たちとともにいるという事実です。
神と人との存在があり、それがはっきりと結び付けられて、そこに私たちの命を豊かにするクリスマスの奇跡が起こるのです。
聖霊なる神は今も働いておられ、平凡な私たちが神の働きをいただくことができるのです。イエスの御名を告白するたびに、私たちの抱えている罪は赦され、心の汚れは取り去られ、清められ救われ、永遠の命が与えられるのです。主イエス・キリストは永遠に私たちの救い主なのです。
神と人とのクリスマス。これをあなたが他人事のように考えないことです。クリスマスはイエスの誕生会では終わりません。イエスをあなたが心の中に迎え入れれば、私たちは救われるのです。だからクリスマスは、イエスが誕生したのがおめでたいというよりも、私たちの救いのために生まれて下さったことがありがたいのです。
様々な不都合や困難や試練が私たちの生活の中にはあります。でもこのクリスマスに、もう一度、神が与えられた事実に立ち返りたいのです。神は私たちとともにいて下さる。この事実を自分のものとして締めくくることができますから感謝しましょう。新しく動き始める2010年も、神がともにいて下さいますから大丈夫です。
神の平安と喜びがあなたの心の中に満たされますようにと、祈ります。神とあなたとのクリスマスです。あなたを愛し、あなたを支え導き、あなたとともにいて下さる救い主キリスト、神がおられることを忘れないで下さい。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。